ゆり

筑波嶺の さ百合(ゆる)の花の 夜床(ゆとこ)にも 愛(かな)しけ妹そ 昼も愛しけ 万葉集 巻20−4369 上丁(かみつよぼろ)大舎人部千文(おほとねりべのちふみ) 筑波山の百合の花のように、夜床でも愛しい妻は、昼も愛しい。 *大舎人部千文 常陸国…

衣笠山公園散策

湿度が低く爽やかな日に衣笠山公園まで散策に出て、遊歩道沿いの見頃の紫陽花を写してきました。 まごまごしている間にもう一週間経ってしまいましたが、ま、こんなのはいつもの事です。 紫陽花の花は今でこそ人々に持て囃され、人を呼ぶために沢山植えて名…

青葉楓  称名寺にて

いかにして この一本(ひともと)に時雨れけん 山に先立つ庭のもみぢ葉 藤原為相 上の写真は、横浜市金沢区にある称名寺金堂前の、能「六浦(むつら)」所縁の、周りの山々が紅葉しているのに この一本は青いままだったと言い伝えられる「青葉楓」です。 と…

かきつはた

常ならぬ 人國山の 秋津野(あきづの)の 杜若(かきつはた)をし 夢(いめ)に見るかも 万葉集 巻7−1345 人国山のあたりの秋津野の、たおやかに咲くかきつばたを夢に見たのです。 18日、福島県いわき市にある、願成寺 白水阿弥陀堂を拝観して参りまし…

卯の花

卯の花の 咲く月立ちぬ 霍公鳥 来鳴き響めよ 含(ふふ)みたりとも 万葉集 巻18−4066 大伴家持 *四月一日、久米廣繩(くめひろのり)の館で宴の席での一首です。 いつも通る道沿いの藤の花が咲いている崖の下の方は、落石防止のコンクリートが吹き付…

藤波の

藤波の 花は盛りに なりにけり 平城(なら)の京(みやこ)を 思ほすや君 万葉集 巻3−330 防人司佑(さきもりのつかさのすけ) 大伴四綱(おほとものよつな) 藤の花が盛りになりました。奈良の都をなつかしくお思いになるでしょうね。 * 大宰府長官、大伴…

鎌足稲荷神社

内大臣(うちのおほまへつきみ)藤原卿、采女安見兒(やすみこ)を娶(ま)しき時作る歌一首 われはもや 安見兒得たり 皆人の 得難(えがて)にすとふ 安見兒得たり 万葉集 巻2ー95 藤原鎌足 私は安見児を妻にしたよ。誰もが妻にする事が難しいという安見…

さくらばな

わが背子が 古き垣内(かきつ)の 桜花 いまだ含(ふふ)めり 一目見に来(こ)ね 万葉集 巻18−4077 大伴家持 あなたが住んでいた昔の垣内の桜の花はまだ蕾です。一目見にいらっしゃい。 * 大伴池主さんの旧宅の西北の隅の桜の木を詠んだ歌です。 麗…

マルタのお土産

春休みにプチ留学でマルタ島に行ってきた孫のお土産です。 蜂蜜が名産らしいから買ってくるね。と云っていたので楽しみに待っていたらば 何やらこまごまと届けに来てくれました。 チーズも買ったんだけど持ってくるの忘れちゃった、と云いながら小さな包みを…

布雲

夕されば み山を去らぬ 布雲(にのぐも)の 何(あぜ)か絶えむと 言ひし児ろばも 万葉集 巻14−3513 夕方になると山にたなびいて離れない布雲のように、何であなたとの仲が絶えることがありましょうか と言ったあの子は、あぁ (どうしていることであ…

小鴨

沖に住も 小鴨(をかも)のもころ 八尺鳥(やさかどり) 息づく妹を 置きて来のかも 万葉集 巻14−3527 沖に住む小鴨のように大きなため息をつく妻を置いて、私は旅に来てしまいました。 *「沖に住も」は「沖に住む」、「来のかも」は「来ぬかも」。い…

わらびもち

東大寺二月堂の脇の茶所「龍美堂」のわらび餅です。 古い写真で、上は2013年、下は何と2006年に写しました。 二月堂に詣でた時は必ず立ち寄り一服する茶所で、寒くても暑くても注文するのは「抹茶とわらび餅」。 好みは2006年タイプ。ひんやり、…

晩白柚

ふるさと納税の返礼品として、熊本県から晩白柚を送って頂きました。 以前、果物屋さんの店頭で見て興味を持ち申し込んだのです。 「晩白柚の歴史」 時は大正9年、品質の優れた新しい果実品種「晩白柚」が、原産地マレー半島から、当時台湾総督府に勤務され…

三浦海岸の河津桜

TVニュースで松田の河津桜が満開の様子を見て、三浦海岸はどんなかしら〜とお花見に出かけました。 6年ぶりに京急三浦海岸駅に降りたら、余りの人の多さにビックリ! 今や観光バスが花見客を運んできて、中国語もあちこちで飛び交っていました。 駅前には…

横須賀しょうぶ園にて

よく晴れているけれど空気が余りにも冷たく、体がゴチゴチに固まってしまいそうで少し解さなくちゃ と陽だまりを求めて菖蒲園へ散策に出た日のお話です。 園内には、立派なレンズを備えたカメラを担いだ高齢の男性が幾人もおられました。 藤棚の下では大砲と…

木挽町広場で

一昨日、四月中旬並みの気温に背を押され、身内の者の入院見舞いに築地まで出かけました。 患者は頗る元気で順調に回復しており、見舞ったこちらもひと安心で せっかくだからお寿司でも食べて帰ろうか、と築地場外市場の路地を歩いていたら鼠が一匹、目の前…

大涌谷

おととしの大涌谷小規模噴火に伴う立ち入り禁止が一部解除されましたので、久しぶりに行ってみました。 新しい噴火口を見てみたという野次馬根性を抱きつつ。 本当は、ロープウエイから真下に見たかったのですが、早雲山〜大涌谷間はメンテナンスを理由に運…

含(ふふ)めりと 言ひし梅が枝 今朝降りし 沫雪にあひて 咲きぬらむかも 万葉集 巻8ー1436 大伴宿禰 村上 つぼみが膨らんだと言っていたあの梅の枝は、今朝降った沫雪にあって咲いたでしょうか。 箱根に保養に出かけた帰り、バスを諸白小路で下車、小…

うつたへに 鳥は喫(は)まねど 縄(しめ)延(は)へて 守(も)らまく欲しき 梅の花かも 万葉集 巻10ー1858 決して鳥が食べたりはしないけれど、縄を張りめぐらせて守りたいと思うほど美しい梅の花です。 前日の冷たい北風もおさまって穏やかな晴天…

迎春

あけましておめでとうございます 2017年 元旦 近所の公園で写した今日の富士山と八重咲き水仙。庭の千両、万両と水仙です。

横浜でお昼ご飯

横浜へ行って桜木町辺りを歩いていますと独特の匂いを感じます。 多分「運河」の匂いで、潮水と川の水、船舶の燃料、その他さまざまな物質の混じった匂い。 ああ! 横浜の匂いがする、と懐かしさがこみ上げます。 この界隈で生まれ育った私にとって、ここが…

クリスマス飾り あれこれ

所用で横浜に出かけたついでに、みなとみらい地区から山下公園、中華街を散策。 クリスマスシーズンらしい飾り物をあれこれ写しました。 実は私、クリスマスだのハロウィンだのと浮かれている日本の風潮には同調したくないひねくれ者です。 それでも華やかな…

鎌倉散歩

暖かな日の昼下がり、鎌倉散策に出ました。 さて、今日は何処を歩こうかな。 そうだ! 彼方此方の銀杏の黄葉を見ながら荏柄天神まで行ってみよう。 荏柄天神社の大イチョウは、6年前に倒れた八幡さまの大銀杏に次ぐ古木だそうで、と云うことは現在では鎌倉…

初雪

初雪は 千重に降りしけ 恋しくの 多かるわれは 見つつ偲はむ 万葉集 巻20−4475 大原真人今城(おおはらのまひと いまき) 初雪は千重に降り積もれ。恋しさのつのる私はそれを見て、恋しい人を思い偲びましょう。 ↑ 寒いので、家の中から硝子戸を少し開け…

夕月

あしひきの 山を木高(こだか)み 夕月を 何時かと君を 待つが苦しさ 万葉集 巻12−3008 小高い山から夕月がいつ出るかと待つように 何時あなたが見えるかとお待ちすることの苦しさよ。 12日、あんまり好いお天気なので、午後、買い物がてら向こうの…

スマホで撮ったら

ガラケースマホを使い始めて二か月半、ようよう慣れてきました。 写真も時々写してみますが、このスマホカメラは画質が荒くて硬く、暗めに写ります。 日差しがあって明るいと陰影が濃すぎて部分的に白っぽくなり 花の色は全くと云っていいほど自然の色が出ま…

都鳥  (みやこどり)

舟競(ふなぎほ)ふ 堀江の川の 水際(みなきは)に 来居つつ鳴くは 都鳥かも 万葉集 巻20−4462 大伴家持 舟が先を競って上る堀江の川の水際に来て鳴いているのは都鳥(みやこどり)なのでしょうか。 * 都鳥とはユリカモメ(カモメ科)のこと。 伊勢物…

尾花 (すすき)

秋の野の 尾花が末(うれ)の 生ひ靡き 心は妹に 寄りにけるかも万葉集 巻10−2242 (柿本人麻呂歌集) 秋の野の尾花の穂先が伸びて風になびくように 私の心はあの子になびきき寄ってしまったことです。 15日午後、稲村ケ崎に富士山見に行こう!とツ…

コスモス畑で

午後の散歩で「くりはま花の国」のコスモス畑を歩いてきました。 9月の異常な長雨の影響で花はまばら、三分咲きといったところでしょうか。今年はこれ以上の花は期待できないようです。昨夜は台風18号からの強い風も吹きましたし。 コスモスは豪華に咲き…

秋萩の花

わが岡の 秋萩の花 風をいたみ 散るべくなりぬ 見む人もがも 万葉集 巻8−1542 大伴旅人 私の住む岡の秋萩の花は風が激しいので散りそうになっています。見る人があるといいのに。 一昨日27日はきつい残暑の一日でしたが、日ごろの運動不足を解消しよ…