2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

つきくさ (ツユクサ)

鴨頭草(つきくさ)に 衣(ころも)色どり 摺らめども 移ろふ色と いふが苦しさ 万葉集 巻7ー1339 露草で衣を摺り染めにしようと思うけれど、色が変わりやすいと聞くにつけ心が苦しいのです。 (あの人の申し出を受け入れようと思うけれど、気の変わり…

萩の花

わが屋戸(やど)の 萩の花咲けり 見に来ませ 今二日ばかり あらば散りなむ 万葉集 巻8−1621 巫部麻蘇娘子(かむなぎべのまそをとめ) ようやく陽射しも和らぎ、心地よい秋風に誘われて鎌倉散歩してきました。 萩の花の綻び具合はどんなかしらん、と大…

くず (葛)

水茎(みづくき)の 岡の葛葉を 吹きかへし 面(おも)知る子等が 見えぬ頃かも 万葉集 巻12−3068 岡の葛の葉を風が吹き返して裏葉の白さが目に付くように、はっきりと顔を見知っているあの子の姿が見えないこのごろです。 くず マメ科 食用 根から澱…

九月(ながづき)の雨

九月(ながづき)の 時雨の雨の 山霧の いぶせき吾が胸 誰(たれ)を見ば息(や)まむ 一に云はく、十月(かむなづき)時雨の雨降り 万葉集 巻10−2263 九月のしぐれの雨が山霧となって晴れないように、鬱屈した私の胸は誰を見たらば安まるでしょう。 …