2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

やますげ(やぶらん)

撮影場所 道後温泉 ふなや 山菅の 乱れ恋ひのみ 為(せ)しめつつ 逢わぬ妹かも 年は経につつ 柿本人麿歌集 巻11−2473 山菅の根が乱れているように、心を乱れさせるばかりで、お前はちっとも逢ってくれない。年月ばかり過ぎてゆくのに。 撮影場所 衣笠…

うけら(オケラ)

オケラの実 撮影場所 小石川植物園 わが背子を 何(あ)どかも言はむ 武蔵野の うけらが花の 時無きものを 巻14−3379 夫のことを何と言ったら良いのだろうか。武蔵野のおけらの花のように、いつも恋しく思っているのに。 オケラの蕾 くすりの博物館 万…

ひ (檜)

撮影場所 小石川植物園 鳴る神の 音のみ聞きし 巻向の 檜原の山を 今日見つるかも 巻7ー1092 雷のような大きな評判だけを聞いていた巻向の檜原の山を、今日見たなぁ くすりの博物館 万葉集の植物

ほほがしは(朴の木)

撮影場所 増富温泉 本谷川沿い 撮影場所 市川市万葉植物園 我が背子が 捧げて持てる ほほがしは あたかも似るか 青き蓋(きぬがさ) 僧 恵行 巻19−4204 我が君が持っているホホガシハは、ちょうど似ているなぁ 青いきぬがさに。 * 我が背子とは大伴家…

葦(あし/よし)

撮影場所 八幡平大沼 葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き夕べは 大和し思ほゆ 志貴皇子 巻1−64 葦の辺を行く鴨の翼に霜が降って寒い夕べには、暖かい我が家がある大和が思われる。

綿

撮影場所 小石川植物園 しらぬひ 筑紫の綿は 身につけて いまだは着ねど 暖かに見ゆ 沙彌満誓(さみ まんせい) 万葉集 巻3−336 九州の綿は、まだ身につけて着てはみないが、暖かそうだ。 * 当時の綿は植物の綿ではなく、くず繭から作った真綿の事では…

しだくさ(軒しのぶ)

撮影場所 国立能楽堂前庭 わが屋戸の 軒のしだ草 生ひたれど 恋忘れ草 見るに生ひなく 柿本人麿 巻11−2475 我が家の入口の軒のシダクサは大きくなったけれど、恋を忘れると言う忘れ草は、いくらさがしても未だ生えない。 くすりの博物館 万葉集の植物

うも(里芋)

撮影場所 鳴子温泉付近 蓮葉は 斯くこそあるもの 意吉麿(おきまろ)が 家にあるものは 芋(うも)の葉にあらし 長忌寸(ながのいみき)意吉麿 巻16−3826 (美しい花を咲かせる)蓮の葉というものは、なるほど、こうあるべきものなのだ。意吉麿の家に…

黄葉(もみじ)

撮影場所 八幡平大沼 黄葉(もみじば)の 過ぎまく惜しみ 思ふどち 遊ぶ今夜は 明けずもあらぬか 大伴家持 巻8 1591 もみじの散るのを惜しんで、仲間が集まって遊ぶ今宵は、いつまでも明けないでくれないかなぁ