2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

紅の花 (くれなゐのはな)

紅(くれなゐ)の 花にしあらば 衣手に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ 万葉集 巻11−2827 あなたが紅の花だったなら、袖に染め付けて持ってゆきたいと思うのです。 くれなゐ(ベニバナ) キク科 名は、呉の国から渡ってきた藍 「呉の藍(くれのあゐ)…

ひぐらし

夕影に 来鳴くひぐらし 幾許(ここだく)も 日毎に聞けど 飽かぬ声かも 万葉集 巻10ー2157 梅雨が明け、わが家の庭にもヒグラシがやって来て涼やかな声を聞かせてくれるようになりました。 ある日の夕食時、いきなりカナカナと甲高い声が近くに聞こえ…

桑 (くわ)

たらちねの 母が園なる 桑すらに 願へば衣(きぬ)に 着すとふものを 万葉集 巻7−1357 母の畑に植えてある桑でさえ、願えば絹の衣を作って着せてくれるというのに。 (どうしてあなたを自分のものにできないのでしょう。) もう二週間も経ってしまいま…

このゆふべ 降りくる雨は 彦星の 早漕ぐ船の 櫂(かい)の散沫(ちり)かも 万葉集 巻10−2052 7月7日の今宵降って来る雨は、彦星が急いで漕ぐ舟の櫂(かい)のしぶきでしょうか。 朝からしとしとと静かに降る雨を眺めながら、「なんとか梅雨らしい写真…