筑波嶺の さ百合(ゆる)の花の 夜床(ゆとこ)にも 愛(かな)しけ妹そ 昼も愛しけ
万葉集 巻20−4369 上丁(かみつよぼろ)大舎人部千文(おほとねりべのちふみ)
筑波山の百合の花のように、夜床でも愛しい妻は、昼も愛しい。
*大舎人部千文 常陸国那賀郡(茨城県)の人。天平勝宝七年(755)二月、防人として筑紫に派遣される。
ゆる、ゆとこ、は東国訛り。
←昔写した筑波山です。
山百合がそろそろ見頃かも、と衣笠山公園に行ってみたのですが、ちょっと早かったようで。
それでも山百合が多く咲く斜面の辺りは甘い香りに満ちていました。
花は五分咲きといったところで、中に、形はヤマユリなのに、赤が際立つ一株が
斜面の上の方に咲いているのが目に入りました。
はて? あの色のヤマユリは見たことないな、 園芸種が交ざっているのかな?
公園管理の方に尋ねたら、「あれはクチベニヤマユリと云いますよ」 とのことでした。
自然に咲いた変わり種だそうです。
普通の良く見る山百合より、斑点の量が多くて赤く見えるのですね。
もう一株、遠目には真っ白に見えるのがあったので写して確認したら、赤い斑点が少なく
花弁の中央の黄色い線の色が、普通の花より薄いのが分かりました。
へぇ〜山百合にもいろいろ個性派があるのね〜〜目から鱗が一つポロリと落ちたような?
クチベニヤマユリ
この日の森の歌い手は、鶯に画眉鳥(ガビチョウ)、時鳥、小綬鶏(コジュケイ)、
そこにホイホイホイと三光鳥(サンコウチョウ)が仲間入りして野鳥の五重唱。
鳥の声を楽しみながら歩く目線の先に、すっと茶色の小鳥が飛んで来て、石の上に止まりました。
あの色はもしや・・・写して大きくして見たらやっぱりガビチョウ。 ピンボケでも撮れて嬉しい!
ガビチョウ 目の周りから目じりにかけて白い隈取りがあります。
この日は夜から雨の予報が出ていて東京湾は霞んでいました。