2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

しば草 (チカラシバ)

畳薦(たたみこも) へだて編む数 通(かよ)はさば 道のしば草 生(お)ひざらましを 万葉集 巻11−2777 畳コモを、隔てをおいて繰返し繰返し編んで行くように、しばしばあなたがお通いになれば、道の芝草もはえなかったでしょうに *タタミコモは、い…

山高み 白木綿花(しらゆふはな)に 落ち激(たぎ)つ 瀧の河内(かふち)は 見れど飽かぬかも 笠朝臣金村 万葉集 巻6ー909 山が高いので、白い木綿花(ゆうばな)のようにたぎり落ちる滝は いくら見ても飽きることがありません *白木綿花とは楮(こう…

葛・くず

真葛原(まくずはら) なびく秋風 吹くごとに 阿太(あだ)の大野の 萩の花散る 万葉集 巻10−2096 葛の原をなびかせる秋風が吹くたびに、阿太の広い野の萩の花が散ります *阿太は、現在の奈良県五条市といわれています。 古くから、日本人の暮らしに…

秋草

秋草に 置く白露の 飽(あ)かずのみ 相見るものを 月をし待たむ 大伴家持 万葉集 巻20ー4312 秋草に置く白露のように、はかない逢う瀬でいつも飽き足らないけれど また来年の7月を待つことにしましょう * この歌は大伴家持の『七夕の歌八首』の中の…