2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

賢木(ひさかき)

撮影場所 小石川植物園ひさかたの 天の原より 生(あ)れ来る 神の命(みこと) 奥山の 賢木の枝に 白香(しらか)つけ 木綿(ゆう)とりり付けて 斎瓮(いわひべ)を 斎ひほりすえ 竹玉(たかだま)を 繁(しじ)に貫き垂り 鹿猪(しし)じもの 膝折り伏せ…

からたち

撮影場所 自宅付近 枳(からたち)の 棘原(うまら)刈り除(そ)げ 倉立てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自 忌部首 巻16−3832 カラタチの茨を刈り除いて、私はそこに倉を建てようと思う。だから屎は遠くでしておくれ、櫛作りの女よ。 撮影場所 沢渡温泉 撮影…

橘・たちばな

撮影場所 自宅付近 橘の 寺の長屋に 我が率宿(いね)し 童女放髪(うないはなり)は 髪(かみ)上げつらむか 万葉集 巻16−3822 橘寺の長屋で一緒に寝た垂髪の少女は、もう成人して、髪をあげただろうか

撮影場所 羽黒山 何時の間も 神(かむ)さびけるか 香山(かぐやま)の 鉾杉が本に 苔生(むす)までに 鴨君足人 巻3−259 何時の間に、こんなに古めかしくなってしまったのだろうか。香具山の鉾杉の根元に苔の生えるほどに。 撮影場所 沢渡温泉 くすりの…

思ひ草(りんどう)

撮影場所 志賀高原 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今さらになど 物か思はむ 巻10−2270 道の辺のすすきの下でひっそりと咲く思い草のように、私はあなた一人を頼みに思っています。今さらどうして物思いなどいたしましょう。 くすりの博物館 万葉集の植物…

ねつこぐさ(翁草 又は もじずり・ねじばな)

撮影場所 小石川植物園 撮影場所 志賀高原 芝付きの 御宇良崎(みうらさき)なる 根都古草(ねつこぐさ) 逢い見ずあらば 吾(あれ)恋めやも 東歌 巻14−3508 三浦崎に咲くねつこぐさのような可愛いあなたに逢うことがなかったら、こんなに恋に苦しむ…

うはぎ(よめな)

撮影場所 玉川温泉妻もあらば 摘みてたげまし 佐美の山 野の上のうはぎ 過にけらずや 柿本人麻呂 巻2−221 そばに妻でもいたら摘んで食べたであろうに。佐美の野のうはぎも、盛りが過ぎてしまったではないか。 くすりの博物館 万葉集の植物

ところつら(ところ)

撮影場所 箱根 芦ノ湖畔皇祖神(すめろぎ)の 神の宮人 冬薯蕷葛(ところづら) いや常しくに われかへり見む 巻7−1133 代々の天皇にお仕えした宮人が永久につづいて行くように、私もいつまでも変わらず、この吉野に帰ってきてお仕えしよう。

朝顔・あさがほ(むくげ)

撮影場所 箱根 塔の峰 言に出でて 言はばゆゆしみ 朝貌(あさがほ)の ほには咲き出ぬ 恋もするかも 巻10−2275 言葉に出して云ってはならない事と思って、朝顔の花のように人目につく振る舞いはせずに、恋しく思っています。 *朝顔は桔梗という有力な…

くくみら(ニラ)

撮影場所 自宅付近 伎波都久の 岡の茎韮(くくみら) われ摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね 万葉集 巻14−3444 きはつくの岡のニラを私は摘みましたが、籠にいっぱいになりません。貴女は背の君と一緒にお摘みなさい。

月人楓(金木犀)

撮影場所 自宅 黄葉する 時になるらし 月人の 楓(かつら)の枝の 色つく見れば 万葉集 巻10−2202

からあゐ(鶏頭)

撮影場所 鳴子温泉街 秋さらば 移しもせむと 我が蒔きし からあゐの花を 誰か摘みけむ 秋去者 影毛将為跡 吾蒔之 韓藍之花乎 誰採家牟 巻 7−1362 秋になったらうつし染めにしようと私の蒔いた韓藍の花を、誰が摘んでしまったのだろう。 参考 日本古典文…

蜻蛉・あきづ(とんぼ)

撮影場所 増富温泉 本谷川 天皇(すめらみこと) 香具山(かぐやま)に登りて望国(くにみ)したまふ時の御製歌(おほみうた)大和には 群山(むらやま)あれど とりよろふ 天(あま)の香具山 登り立ち 国見(くにみ)をすれば 国原(くにはら)は 煙(けぶ…

百合

撮影場所 増富温泉 筑波嶺(つくばね)の さ百合(ゆる)の花の 夜(ゆ)床にも 愛(かな)しけ妹そ 昼も愛しけ 大舎人部千文 巻20−4369

蓼(たで)

撮影場所 小石川植物園わが屋戸の 穂蓼古幹(ほだてふるから) 摘み生(おほ)し 実になるまでに 君をし待たむ 巻 11ー2759 庭先の穂蓼の古い幹の穂を摘んで、それを蒔き、さらにそれが実になるまで、ずっとあなたをお待ちしています。

クソカズラ(ヘクソカズラ)

撮影場所 箱根 芦ノ湖畔 かはらふじに 延ひおぼとれる 屎葛(くそかずら) 絶ゆることなく 宮仕(みやずかへ)せむ 高宮王 巻16−3855 カワラフジにまといつき、広がり乱れているクソカヅラの蔓が絶えないように、私も絶えることなく、いつまでも宮仕え…