2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

鹿

さを鹿の 心相(あい)思ふ 秋萩の しぐれの降るに 散らくし惜しも 万葉集 巻10ー2094 牡鹿の心に思っている秋萩が、時雨が降って散ってしまうのは惜しいことです 万葉集には、鹿と萩を一緒に詠んだ歌が何首もあります。 時雨の降る日の午後、春日野を…

能登川

能登川の 水底(みなそこ)さへに 照るまでに 三笠の山は 咲きにけるかも 万葉集 巻10−1861 能登川(のとがわ)の水底さえ輝くほどに、三笠(みかさ)の山に花が咲いています * 春の雑歌、花を詠む の中の一首です。 能登川は、春日山と高円山の間の谷を…

白毫寺参道 (奈良市白毫寺町) 高圓(たかまと)の 野辺の秋萩 いたづらに 咲きか散るらむ 見る人無しに 笠朝臣金村(かさのあそみかなむら) 万葉集 巻2−231 高円の野辺の秋萩は、空しく咲いては散っていることでしょうか ご覧になる皇子さまも、もう…

十五日(もちのひ)に 出でにし月の 高々(たかたか)に 君を坐(いま)せて 何をか思はむ 万葉集 巻12−3005 十五夜の月を望むように待ち焦がれていたあなたに、ここにこうしてお出で頂いて、他に何の思うことがありましょう。 10月3日、中秋の名月…