2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

世間(よのなか)を 憂(う)しとやさしと 思へども 飛び立ちかねつ 鳥にしあらねば 山上憶良 万葉集 巻5−893 この世の中はつらく、身の細るような思いもすることだけれど、何処かへ飛んで行ってしまうこともできない。鳥ではないのですから。 *「やさ…

さす竹の 節隠(よごも)りてあれ わが背子が 吾許(がり)し来ずは われ恋ひめやも 万葉集 巻11−2773 どうか竹の節に(家に)こもっていて下さい。あなたが私のところに来なければ、私はこんなに恋に苦しみはしないのですから。 *『いつもいつも逢っ…

一つ松 幾代か経ぬる 吹く風の 音の清きは 年深みかも 市原王 万葉集 巻6−1042 この一株(ひともと)の松は、幾代を経ていることでしょうか。松を吹く風の音が清らかなのは、久しい年を経ているからかもしれません。 松は、山地に多いアカマツと、海辺…

新年のご挨拶

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます