2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

梨・なし (ヤマナシ)

撮影場所 春日大社 万葉植物園 露霜(つゆしも)の 寒き夕(ゆふべ)の 秋風に もみちにけりも 妻梨(つまなし)の木は 万葉集 巻10−2189 露霜を置いた寒い夕方の秋風に、梨の木が紅葉したのだなぁ

阿倍橘 (クネンボ)

撮影場所 市川市万葉植物園 我妹子(わぎもこ)に 逢はなく久し うまし物 阿倍橘(あべたちばな)の 苔生すまでに 万葉集 巻11-2750 妹に逢わずにずいぶん時がたってしまった。アベタチバナに苔が生えるほどまで

さのかた (アケビ)

撮影場所 大船フラワーセンター 狹野方(さのかた)は 実になりにしを 今さらに 春雨降りて 花咲かめやも 万葉集 10-1928 サノカタはもう実になりましたものを、今さら春雨が降って花の咲くことがありましょうか (既に結婚しているから、と云って相手を拒否し…

蒸・むし (カラムシ)

撮影場所 大船フラワーセンター むしぶすま 柔(なごや)が下に 臥(ふ)せれども 妹とし寝ねば 肌し寒しも 藤原麿(ふじはらのまろ) 万葉集 巻4−524 蒸(むし)で作った柔らかい布団にくるまって寝ているけれど、妹(いも)と一緒でないので体が冷たく…

荻・をぎ(オギ)

撮影場所 自然教育園 神風(かむかぜ)の 伊勢の浜荻(はまをぎ) 折り伏せて 旅宿(たびね)やすらむ 荒き濱邊(はまべ)に 碁檀越(ごのだんおち)の妻 万葉集 巻4−500 伊勢の荒い浜辺に生えているオギを折り伏せて、あの人は今ごろ旅寝をしていること…

ぬばたま(ヒオウギ)

撮影場所 鎌倉 光則寺 筑波山に登りて月を詠む一首 天の原 雲なき宵に ぬばたまの 夜渡る月の 入らまく惜しも 万葉集 巻9−1712 雲もない夜の大空を渡る月が沈んでしまうのは、まことに惜しいことだ *昨夜は満月が煌々と照っておりました。 ヒオウギの…

菱・ひし

撮影場所 市川市万葉植物園 豊国(とよくに)の 企玖(きく)の池なる 菱(ひし)の末(うれ)を 採(つ)むとや妹(いも)が 御袖(みそで)濡(ぬ)れけむ 豊前国の白水郎(あま) 万葉集 巻16−3876 豊国の企玖の池の菱の実を摘むという、あの娘のお袖は濡れたこと…