2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

楮(コウゾ)  万葉名 たく

丹比真人笠麿、紀伊国に往きて勢の山を越ゆる時作る歌一首 𣑥領巾(たくひれ)の 懸(か)けまく欲しき 妹が名を この勢の山に 懸けばいかにあらむ 萬葉集 巻3−285 丹比真人笠麿 (たじひのまひとかさまろ) 𣑥の領巾(ヒレ)を懸けるように口に懸けたい…

山吹

山吹の 花の盛りに かくの如 君を見まくは 千年にもがも 萬葉集 巻20−4304 大伴家持 山吹の花の盛りに、このように貴方にお目にかかることが千年も続きますように。 * 左大臣橘卿(橘諸兄)の宴の折りに、家持さんが詠んだ歌だそうです。 移り気な4月…

段蔓と桜

この花の 一枝(ひとよ)のうちは 百種(ももくさ)の 言(こと)持ちかねて 折らえけらずや 萬葉集 巻8−1457 娘子(おとめ) この花の一枝のうちに、あまりにも多くの言葉が込められているので支えきれなくて、このように折れてしまったではありません…