2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

エゾカンゾウ

忘れ草 我が下紐(したひも)に 着(つ)けたれど 醜(しこ)の醜草(しこくさ) 言(こと)にしありけり 大伴家持 万葉集 巻4−727 (恋の苦しみを忘れるという)忘れ草を私の下着の紐につけたけれど、何の役にも立たない、ひどい草です。(あなたのこと…

セグロカモメ

大海(おおうみ)の 荒磯(ありそ)の渚鳥(すどり) 朝な朝な 見まく欲しきを 見えぬ君かも 万葉集 巻11−2801 大海の荒磯の渚の鳥を朝な朝な見るように、朝な朝な顔を見たいと思うのに、 お出でにならないわが君ですこと。 ウトロ ウトロの海の、崖の…

知床峠の牡鹿

夏野ゆく 牡鹿(をしか)の角(つの)の 束(つか)の間も 妹が心を 忘れて思へや 柿本朝臣人麿 万葉集 巻3−502 夏の野を行く牡鹿の角は短いけれど、そのように短い間も、私を思う妻の心を 忘れていません。 *今日登場するのはエゾシカです。万葉集に詠…

蝦・かわづ (蛙)

エゾアマガエル 草枕 旅に物思ひ 我が聞けば 夕片設(ゆうかたま)けて 鳴く河蝦(かはづ)かも 万葉集 巻10ー2163 旅に出て、物思いしながら耳を傾けていると、夕方になって蛙が鳴いています。 *万葉集に詠まれている蝦とは、河鹿蛙(カジカガエル)…

あぢさゐ・あじさい

あぢさゐの 八重咲く如く 弥(や)つ代にを いませわが背子 見つつ偲はむ 橘 諸兄(たちばなのもろえ) 万葉集 巻20−4448 紫陽花の花が八重に咲くように、いつまでも栄えておいで下さい。私は立派なあなたを仰いで讃嘆いたしましょう。 わが家のアジサ…