2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

清見の崎

廬原(いほはら)の 清見の崎の 三保の浦の 寛(ゆた)けき見つつ 物思(も)ひもなし 田口益人(たぐちのますひと) 万葉集 巻3−296 廬原の清見の崎から見渡される三保の浦の、ゆったりと、広々とした海を見ていると、もの思いなどなくなります。 *廬…

あな醜(みにく) 賢(さか)しらをすと 酒飲まぬ 人をよく見れば 猿にかも似る 大伴旅人 万葉集 巻3−344 ああみっともない。賢そうにして酒を飲まない人をよくよく見ると、猿に似ているよ この歌は、「太宰師大伴卿、酒を讃(ほ)むる歌十三首」の中の…

三日月

月立ちて ただ三日月の 眉根(まよね)掻(か)き 日(け)長く恋ひし 君に逢へるかも 坂上郎女(さかのうえのいらつめ) 万葉集巻6−993 新月の三日月のような眉を掻いたからでしょうか。 長い間恋しく思っていたあなたにようやくお逢いできました。 * …