2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

つづら (ツヅラフジ)

撮影場所 小石川植物園 上毛野(かみつけの) 安蘇山葛(あそやまつづら) 野を広み 延(は)いにしものを 何(あぜ)か絶えせむ 万葉集 巻14−3434 上毛野(群馬県)の安蘇の野に広がるツヅラフジのように、わたしのあなたへの気持ちも、どんどん広が…

ときじきふじ (なつふじ)

撮影場所 自宅付近 我が屋前(やど)の 時じき藤の めづらしく 今も見てしか 妹が笑容(えまひ)を 大伴家持 万葉集 巻8−1627 我が家の庭先の季節はずれに咲いた藤の花のように、めずらしく愛らしいあなたの笑顔が見たくなりました。

このてがしは

撮影場所 小石川植物園 奈良山の 児手柏(このてがしは)の 両面(ふたおも)に かにもかくにも 佞人(ねじけひと)の徒(とも) 万葉集 巻 16−3836 消奈(せな)行文太夫(まえつきみ) 奈良山の児手柏が表裏に違いがあるように、あれにつけこれにつけ…

葵・あふひ (あおい)

フユアオイ 撮影場所 市川市万葉植物園 タチアオイ 撮影場所 小石川植物園梨(なし)棗(なつめ) 黍(きみ)に粟つぎ はう葛の 後も逢はむと 葵(あふひ)花咲く 万葉集 巻16−3834 梨のあとになつめが実り、キビの次に粟が実るように、君にずっと逢ってい…

ちち (イヌビワ)

撮影場所 小石川植物園 大君の 任(ま)けのまにまに 島守に わが立ちくれば ははそ葉の 母の命は み裳の裾 つみ挙(あ)げ掻き撫で ちちの実の 父の命は 托綱(たくづの)の 白鬚(しらひげ)の上ゆ 涙垂り 嘆き宣賜(のた)ばく 鹿児(かご)じもの ただ独…

貝母 (バイモ)

撮影場所 小石川植物園 時時(ときどき)の 花は咲けども 何すれそ 母(はは)とふ花の 咲き出(で)来(こ)ずけむ 丈部真麿(はせつかべのまろ) 巻20−4323 その時節時節の花は咲くけれども、どうして母という花が咲き出てこなかったのだろう。 くすりの博物…

つるはみ(クヌギ)

撮影場所 横須賀しょうぶ園 紅(くれない)は 移ろふものそ 橡(つるはみ)の 馴れにし衣(きぬ)に なほ若(し)かめやも 大伴家持 巻18−4109 美しい紅花染は、すぐに色褪(あ)せてしまうものです。ツルバミで染めた地味な衣(連れ添った妻)には及び…