小鴨




沖に住も 小鴨(をかも)のもころ 八尺鳥(やさかどり) 息づく妹を 置きて来のかも



  万葉集 巻14−3527



沖に住む小鴨のように大きなため息をつく妻を置いて、私は旅に来てしまいました。



「沖に住も」は「沖に住む」、「来のかも」は「来ぬかも」。いずれも東国の訛り。
「もころ」は、〜のように。
「八尺鳥(やさかどり)」は、息づくにかかる枕詞。
  長く潜る、潜水後に長く息をつく鳥 という意味で、「カイツブリ」のこととする説があるようです。

 


コガモ


コガモのつがい


カイツブリが潜った後の波紋。


15秒ほどして思わぬ水面にひょっこり浮きあがる。


カルガモカイツブリ



もう一ヶ月も前のお話ですが、箱根湯本を流れる早川で番のコガモを見かけました。
雄はこげ茶の頭に、目の周りから頸の後ろにかけて濃い緑の帯があって綺麗な鴨です。
カイツブリは昔、奈良の猿沢の池で写しました。
カルガモと仲良く泳いでいて仕草が可愛らしく、しばらく眺めていたことを思い出します。
例によってピンボケ写真だけれど、せっかく撮れたので〜と小鴨を詠んだ東歌一首。


この日、早川には水鳥は少なかったですが、ジョウビタキセキレイ
流れに点在する石をあちらこちら移動する姿が見られました。




カワウ


セキレイ


ジョウビタキ


番外 イソヒヨドリは宮ノ下で



殺風景なわが庭にも春の彩りがチラホラ。