2008-01-01から1年間の記事一覧

柳・やなぎ

鶴岡八幡宮 源平池 浅緑(あさみどり) 染め懸(か)けたりと 見るまでに 春の楊(やなぎ)は 萌えにけるかも 万葉集 巻10−1847 浅緑の色に染めて掛けてあるのかと見ちがえるほどに、春の柳の枝が芽吹いてきました。 * 柳は種類が多いのですが、万葉…

唐棣 ・はねず (にわうめ)

雨の日の庭梅 夏まけて 咲きたる唐棣(はねず) ひさかたの 雨うち降らば うつろひなむか 大伴家持 万葉集 巻8−1485 夏を待ちうけて咲いたハネズは、雨が降ったら色があせてしまうのでしょうか。 * ハネズはこの庭梅の他に、同じ仲間の庭桜、木蓮とす…

馬酔木 (あしび・あせび)

京都 竜安寺 池水に 影さへ見えて 咲きにほふ 馬酔木(あしび)の花を 袖に扱入(こき)れな 大伴家持 万葉集 巻20−4512 池の水に美しい影さえ映して咲きにおう馬酔木の花を、しごいて袖に入れましょう。 この歌は、以前載せた馬酔木の歌の一つ前の歌…

鴨・かも

水鳥の 鴨の羽色の 春山の おぼつかなくも 思ほゆるかも 笠 女郎(かさのいらつめ) 万葉集 巻8−1451 水鳥の鴨の羽の色のような春の山がぼんやりしているように あなたのお気持ちがよく分らないので、もどかしく思っています * 笠女郎が大伴家持に贈っ…

節分草

奥秩父の両神堂上へ節分草を見に行って来ました。 ここは自生地とは言うものの、人の手で保護管理されていて、9日には「節分草まつり」があり、美味しい甘酒の接待に与りました。 花は盛りの一歩手前でしたが、枯れた落ち葉の上に、2センチ程の小さい可憐…

梅・うめ

梅の花 今盛りなり 思ふどち 挿頭(かざし)にしてな 今盛りなり 筑後守葛井大夫(葛井大成・ふじいおおひろ) 万葉集 巻5−820 梅の花が今盛りですよ。心の合った者同士、髪かざりにしましょう。今が盛りで すよ。 2月29日に、湯河原の幕山梅林で観梅…

入日と月

わたつみの 豊旗雲(とよはたくも)に 入日(いりひ)さし 今夜の月夜(つくよ) あきらけくこそ 中大兄皇子 万葉集 巻1−15 大海の豊旗雲に入日の差すのを見た今宵は、月も清かに照って欲しいものです *「あきらけくこそ」の部分は、万葉仮名では「清明…

鴉・からす

鎌倉 源氏山公園で 鴉(からす)とふ 大軽率鳥(おほをそどり)の 真実(まさで)にも 来まさぬ君を 児ろ来(く)とそ鳴く 万葉集 巻14−3521 カラスという大あわて者の鳥が、本当にいらっしゃるわけでもないわが君を、児ろ来(あの方がおいでになった…

相模嶺・さがむね

二宮町 吾妻山公園からの大山 相模嶺(さがむね)の 小峯(おみね)見かくし 忘れ来る 妹が名呼びて 吾を哭(ね)し泣くな 万葉集 巻14ー3362 いつも見える相模の嶺の小峰を見て見ないふりをするように、無理に忘れてきた妻の名を、つい口に出して呼ん…

] 我が屋前(やど)の 冬木の上に 降る雪を 梅の花かと うち見つるかも 巨勢朝臣宿奈麿(こせのあそみすくなまろ) 万葉集 巻8−1645 我家の庭先の冬枯れの木の上に降る雪を、梅の花かと眺めたことでした。 明日は立春というのに夜半から雪が降りだしま…

淘綾(よろぎ)の浜 (こゆるぎの浜)

こゆるぎの浜。 吾妻山公園から西、二宮、国府津の海岸線と箱根方面の眺望 相模路(さがむぢ)の 淘綾(よろぎ)の浜の 真砂(まなご)なす 児らは愛(かな)しく 思はるるかも 万葉集 巻14−3372 相模の淘綾(よろぎ)の浜の美しい砂のように、あの娘が可…

霜・しも

箱根で 朝霜の 消(け)やすき命 誰(た)がために 千歳(ちとせ)もがもと わが思はなくに 万葉集 巻7−1375 朝霜のように消えやすい命ですが、千年も長生きしたいと思うのは 誰でもない、あなたの為なのです。 箱根で 我家の庭の霜柱です。ここは温暖…

箱根の山

JR御殿場線の車窓から 箱根の山々 足柄(あしがら)の 箱根の山に 粟(あは)蒔(ま)きて 実とはなれるを 逢はなくもあやし 万葉集 巻14−3364 足柄の、箱根の山に粟(あわ)をまいて実ったように、私の恋も実ったのに、逢えないのは不思議なことです *…

土肥の河内 (湯河原温泉)

湯河原温泉 藤木川沿いに湧く温泉 足柄(あしがり)の 土肥(とひ)の河内(かふち)に 出る湯の 世にもたよらに 児ろが言はなくに 万葉集 巻14−3368 足柄の土肥の河淵に湧く温泉が決して絶えそうもないように、二人の仲も絶えそうに無い、とあの娘は…

平成20年 元旦

午前0時 東京湾に停泊している船が一斉に ボーボーと汽笛を鳴らして新年の挨拶を始めると同時に 港のカウントダウンの会場で 華やかに花火があがります これが我が街恒例の年明け風景です 幸せな年でありますように 今年もどうぞ宜しくお願いいたします