合歓木・ねぶ(ネムノキ)



吾妹子(わぎもこ)が 形見の合歓木(ねぶ)は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも


大伴家持 万葉集 巻8−1463



あなたの形見の合歓木(ねむ)の木は、花だけ咲いて、おそらくは実にならないかもしれません。


巻8−1461 紀女郎(きのいらつめ)から贈られた歌へ答えた一首です。
「昼間は美しく咲き、夜は慕いあうように眠るネムの花を一緒に見ましょう」と恋の申し入れをした紀女郎に、家持さんは「この恋は実らないかも〜」とつれないお返事・・・
でもこれは戯れの歌。実際は二人の仲は10年以上続いたということです。



近所の何時もの所に自生するネムの花、1ヶ月以上にわたって次々に花を開き楽しませてくれましたが、今年はそろそろお仕舞のようです。仄かに甘い香りがするんですよね。
今日の写真は、下田の帰りに寄った伊東の松川の河口近くに植栽された合歓の木です。
花は沢山ついていましたが、海風が強い為か花びら?が皺くちゃでした。