浜木綿・はまゆふ(ハマオモト)



み熊野の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重(ももへ)なす 心は思(も)へど 直(ただ)に逢はぬかも

                       
   柿本人麻呂  万葉集 巻4−496



熊野の浦に 幾重にも重なって咲いている浜木綿のように、私の心もあの女(ひと)への思いでいっぱいなのだけれど、直(じか)に逢うことができないとは・・・



 浜木綿に託して恋の思いを詠んだ一首です。

この歌は以前UPしたのですが、先日また浜木綿の花を写して来ましたので
新しい写真に入れ替え、再度UPすることに致しました。
「この歌、前にもう見たよ」とお思いの方、ご容赦下さいませ。
なにしろ万葉集には、浜木綿が詠まれた歌はこれ一首しか無いものですから・・・(^^ゞ



暑中お見舞い申し上げます


暑さが多少やわらいだ7月20日、思い立って、三浦半島西岸にある天神島の、海辺に咲く夏の花を楽しんで参りました。小さな天神島は、島全体が臨海自然教育園になっていて、海浜性の植物や、海岸の生き物が多く見られるそうです。中でも浜木綿は、自生地としては北限とされ、神奈川県の天然記念物に指定されています。株の数は少なく、この歌のように「百重なす」という程ではありませんが、ちょうど見頃を迎えておりました。他にもハマボウ、ハマゴウ、ハチジョウナなど、種々の海岸の植物が見られ、楽しい散歩になりました。
磯は、小さなお子さん連れのグループや熱々カップルなど、磯遊びを楽しむ人々で賑わっており、すっかり夏休みモードです。
この時期、眺望は今ひとつで、富士山も箱根の山も雲に隠れ、大山、江ノ島がうっすらと望めました。
散歩のあと、佐島魚港に朝あがったばかりのお魚を賞味し、秋谷の立石まで歩いて夕景を眺め、久方ぶりの海沿い歩きを満喫した一日でした。






近頃は、外来種の珍しいハマユウの仲間が増えましたね。

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