紫陽花・あぢさゐ



言問はぬ 木すら紫陽花(あぢさゐ) 諸茅(もろち)等(ら)が 練(ねり)の村戸(むらと)に あざむかえけり


   大伴家持 万葉集 巻4−773



物を言わない木でさえ、色の変わりやすい紫陽花や諸茅(もろち)などの、一筋縄ではいかない心に欺かれたということです。(まして人間である私は、変わりやすいあなたの心にとまどいすることです)


この歌は、大伴家持坂上大嬢に贈った一首です。
諸茅については、「何か変化しやすい植物」という説を用いましたが、諸弟(もろえ)という人の名とし、「諸弟たちの上手い言葉にすっかりだまされてしまいました」と解釈する説もあり、いまひとつよく分らない歌です。



6月中旬、伊豆の下田公園の紫陽花を見にでかけました。この度は、公園の面積の半分ほど、下田港側を歩きましたが、充分に堪能できました。
紫陽花が15万株も植えられているという公園の遊歩道には、紫、青、白、赤に染め分けられた花があふれ、傾斜地にも一面に植えられていて、花の群れが上から下へと流れくだって行く様は中々の圧巻でした。その素晴らしい花風景を写しとる腕前がなく残念なことですが、片鱗だけでもご覧いただけますでしょうか。



花の種類も多くて、個々の名は分らないのですが、その一部を並べました。
 

 

 

 

 


下田港


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