メハジキ (古名 つちはり)




わが屋前(やど)に 生(お)ふる土針(つちはり) 心ゆも 想はぬ人の 衣(きぬ)に摺(す)らゆな


     万葉集 巻7−1338


わが家の庭先に咲いている土針(つちはり)よ。心から思ってもいない人の衣に染められてはなりませんよ。
(好きでもない人と一緒になってはいけませんよ)





土針とは メハジキのこと、とする説が有力です。
メハジキ(目弾き)   シソ科 メハジキ属  二年草  薬用
角ばった茎を短く切り、瞼にはさんで目を開かせる子供の遊びからこの名がついたという。 葉は緑色の染料になる。

別名  益母草(ヤクモソウ) 
古くから産前産後の薬として用いられる婦人用生薬。高血圧、腹痛にも効能あり。


「メハジキは野原や道端に普通に生える野草」と野草図鑑に記されています。
私は今まで植物園で見たことはあっても、自生するメハジキは一度も見る機会が無かったのですが、先日観音崎を散歩していて初めて、草叢でひっそり他の草に紛れるように咲いているメハジキを見つけました。日陰に生えていてやや貧相な印象です。
図鑑には日当たりのよい所で1メートル以上の草丈になると書いてあるけれど、これは50センチあるかないか。今度は是非スックリと背の高いのに出会いたいものです。 
名前の由来である、この茎を瞼に挟んで目を見開かせる遊びはしたことも見たこともないなぁ。 よほど昔の子供の遊びだったのでしょうか。
弾力のある強い茎らしいので、失敗して運悪く目を傷めた子もいたのではないか、と余計な心配をしたのでした。


昨年9月、春日大社萬葉植物園のメハジキはこんな状態でした。↓
画像をクリックして拡大(オリジナルサイズを表示)しますと、右下の白いプレートの説明を読む事ができます。


この虫は・・・ブチヒゲカメムシ ?

  


         


その他、観音崎で出会った野草いろいろ。

藪の中の「狐の剃刀(キツネノカミソリ)」  有毒植物


浜狗尾(ハマエノコロ)


牡丹防風(ボタンボウフウ) 別名 長命草   食用  栄養価の高い野草らしい!


蔓菜(ツルナ)   食用   ほうれん草のような食感でクセがなく美味しいそうです。


禊萩(ミソハギ) 別名 千屈菜(せんくつさい)   食用 薬用


磯馴松虫草ソナレマツムシソウ


崖の高い所に「浜撫子(ハマナデシコ)」


観音埼灯台


灯台に登ってみました。



対岸 房総半島 鋸山方面