美夜自呂(みやじろ)の 砂丘辺(すかへ)に立てる 貌(かほ)が花 な咲き出でそね 隠(こ)めて偲はむ
万葉集 巻14−3575
みやじろの海岸の砂丘に咲き立つ「かほばな」のように、人目につくようには咲かないで。秘かに想っていたいから。
*美夜自呂は地名。所在未詳。
手元の山野草図鑑によりますと
ヒルガオの茎や葉、花は食べても殆どクセがなく、つるの先は味噌汁や天ぷらに、
茎や葉はお浸し、和え物に、花は酢の物、サツマイモに似た風味の根はかき揚げにすると美味しいそうです。
生の葉を揉んで出た汁をつけると虫刺されに効く。
花の咲く時期に全草を刈りとって二、三日干したものを煎じて飲むと糖尿病に効果があり、利尿剤、強壮剤としても利用される。
道端の草むらに咲いていて、何気なく一瞥して通り過ぎている花ですが、随分と役に立つ野草なのですね。
ハマヒルガオ 5月のヴェルニー公園で。今回の歌の花は砂丘に咲くかほ花ですから浜昼顔かもしれません。
「かほばな」には他に、カキツバタ、ムクゲ、オモダカなど諸説ありますが、ヒルガオ説が有力です。
* * *
7月6日、近所のヒルガオを写した後、神奈川歯科大のジャカランダを見に行きました。
月初めに配られたタウンニュースの 初の「ジャカランダフェスティバル」が開催される
との記事を読んで、盛りの花が楽しめると思い込みイソイソと。
正門前に着くと案内係氏いわく 『 いらっしゃいませ。すみません。ジャカランダ、殆ど散ってしまいました〜』
うそ!
『満開は二週間前でした。開催本部に満開時の写真がありますから見て下さい。すみませ〜ん』
満開時の写真、本当に見事で綺麗でした・・・
メインの樹は樹齢30年。他にも花が咲くまでに育った二本の樹と、まだ花をつけない若木が一本。
緑一色でしたが葉も美しく、涼やかな木陰をつくっておりました。
歯科大を辞してから、三笠公園を抜け、よこすか海岸通りを通って海釣り公園までぶらぶら歩いてみました。
「水辺にて」と題する少女像。(三笠公園通り)
赤い靴の女の子像に似ているな、と見る度に思っていたのですが、狛江駅前の少女像の事もあり
台座のプレートを確認したら、同じ方の作品でした。
記念艦「三笠」と東郷平八郎像
歩道のツツジに絡まって咲く昼顔。