雉・きぎし(きじ)



春の野に あさる雉(きぎし)の 妻恋(つまごひ)に 
               己(おの)があたりを 人に知れつつ

 
                       大伴家持 万葉集 巻8−1446



春の野で餌をあさる雉が妻を恋して鳴く声で、自分の居る所を人に知られています。





GWの一日、葉山の棚田まで散歩にでかけた時のお話です。
田んぼには次々に水が張られ、田植えの準備が始まっていました。
この小さな棚田はぐるりと一周することができるので、蛙の声をBGMに、元気で泳ぎ回るオタマジャクシを覗き見たりしながら歩いていますと、茂みの中から突然 『ケーン』という鋭い鳴き声が聞こえてきました。
お!雉だ! すぐ近くにいる!
けもの道みたいな細い崖の道を下り、声のする方を捜しますと、いたいた!
雉はパタパタと羽ばたいて、また『ケーン』と鳴きました。雌を呼んでいるのでしょうか。
歌とまったく同じ情景です。


母子連れの雉は箱根で出会ったことがあるのですが、雄は初めて見ました。
今まで、すぐ傍で声を聞くことはあっても、姿を見つけることはできませんでした。
で、大喜びして写した写真を披露させて頂きます (^_^)v


棚田の右側の樹が茂った辺りにいました。



雉の近くで日光浴をする二頭のベニシジミ