2006-01-01から1年間の記事一覧

 久木・ひさぎ(あかめがしわ)

撮影場所 自宅付近 度会(わたらい)の 大川の辺の 若久木(わかひさぎ) 我が久(ひさ)ならば 妹恋ひむかも 巻12−3127 私の旅が長くなったら、妻は恋しがるだろうな。 アカメガシワの花 撮影場所 自宅付近 くすりの博物館 万葉集の植物

かつら

撮影場所 大船フラワーセンター桂の葉・可愛いハートの形 向つ岡の 若楓(わかかつら)の木 下枝(しづえ)取り 花待つい間に 嘆きつるかも 巻7−1359 向いの岡の、若いカツラの木の下枝を手に取って、その花の咲くのを待つ間に、おのずとため息がもれたことだ。…

茎立 (くくたち)

撮影場所 沢渡温泉 上野野(かみつけの) 佐野の茎立(くくたち) 折りはやし 吾(あれ)は待たむゑ 今年来ずとも 上野国(かみつけのくに)の歌 巻14−3406 上野(かみつけ)の、佐野のククタチを折って料理して、私はお待ちしています。たとえあなた…

つぎね(ひとりしずか)

撮影場所 大船フラワーセンター つぎねふ 山城道(やましろじ)を 他夫(ひとつま)の 馬より行くに 己夫(おのつま)し 歩(かち)より行けば 見るごとに 哭(ね)のみし泣かゆ そこ思(も)うに 心し痛し たらちねの 母が形見と わが持てる 真澄鏡(まそみかがみ)…

山たづ (にわとこ)

撮影場所 大船フラワーセンター 君が行き 日(け)長くなりぬ 山たづの 迎へを往(ゆ)かむ 待ちには待たじ 軽太郎女(かるのおほいらつめ) 万葉集 巻2−0090 君が行ってしまってから、長いこと日が過ぎてしまいました。迎えに行きましょう。いつまでも…

堅香子・かたかご(かたくり)

撮影場所 肘折温泉 物部(もののふ)の 八十乙女(やそおとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 大伴家持 巻19−4143 少女達がおおぜい、寺の井戸の周りに集まって、楽しげに水を汲んでいる。その寺井の上に咲いているカタカゴの花 …

茅花(つばな)

撮影場所 久里浜の道端 戯奴(わけ)がため わが手もすまに 春の野に 抜ける茅花そ 食(め)して肥えませ 紀郎女(きのいらつめ) 巻8−1460 わが君に 戯奴(わけ)は恋うらし 賜(たば)りたる 茅花を喫(は)めど いや痩せに痩す 大伴家持 巻8−146…

山吹(やまぶき)

撮影場所 自宅 花咲きて 実は成らずとも 長き日(け)に 思ほゆるかも 山吹の花 巻10−1860 花だけ咲いて実はならないけれども、長い間こうして思っています、山吹の花を(山吹の花のような貴女のことを) 撮影場所 衣笠公園 くすりの博物館 万葉集の植…

つぼすみれ

撮影場所 肘折温泉 撮影場所 肘折温泉 山吹の 咲きたる野辺の つぼすみれ この春の雨に 盛りなりけり 高田女王 巻8−1444 たちつぼすみれ 撮影場所 衣笠山公園

すみれ

撮影場所 沢渡温泉 春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける 山部赤人 巻8−1424 春の野にすみれを摘みに来たのです、私は。それなのに懐かしくて、一晩野に寝てしまいました。 くすりの博物館 万葉集の植物

撮影場所 自宅付近 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照(したで)る道に 出で立つ少女(おとめ) 大伴家持 巻19−4139 春の庭園はくれないに輝いている。桃の花が明るく照り映える道に立つ美しい乙女よ くすりの博物館 万葉集の植物

樒 (しきみ)

撮影場所 小石川植物園 奥山の 樒(しきみ)が花の 名のごとや しくしく君に 恋ひわたりなむ 大原真人今城 巻20−4476 大意奥山のシキミの花の名のように、シキリにあなたを恋い続けることでしょうか くすりの博物館 万葉集の植物

さくら (山桜)

撮影場所 衣笠山公園 あしひきの 山の際(ま)照らす 桜花 この春雨に 散りゆかむかも 巻10−1864

よもぎ

撮影場所 伊豆 湯ガ野 大君の 任(まき)のまにまに (中略) ほととぎす 来鳴く五月(さつき)の 菖蒲草(あやめぐさ) よもぎ蘰(かつら)ぎ 酒宴(さかみずき) 遊び慰(な)ぐれど ・・・・・ 大伴家持 巻16−4118 ・・・ほととぎすの来鳴く五月の、…

榛・はり (はんのき)

撮影場所 秋田県 刺巻湿原 古(いにしえ)に ありけむ人の 求めつつ 衣(きぬ)に摺りけむ 真野の榛原(はりはら) 巻7−1166 撮影場所 小石川植物園大意昔の人々が求めては衣に摺りつけたという、(ここは)真野の榛の木の原です

あをな(かぶ または青い菜の総称)

撮影場所 大船フラワーセンター 食薦(すごも)敷き 蔓菁(あをな)煮持ち来(こ) 梁(うつはり)に 行縢(むかばき)懸けて 息(やす)む此の君 長忌寸意吉麿 巻16−3825 大意梁の上にムカバキをぬいで懸けて休息していらっしゃるこの君に、食事をす…

馬酔木 (あしび・あせび)

撮影場所 岩手県 盛岡公園 撮影場所 大船フラワーセンター 磯かげの 見ゆる池水 照るまでに 咲ける馬酔木の 散らまく惜しも 甘南備伊香真人(かんなびのいかごのまひと) 巻20−4513 大意 池のほとりの岩の姿が映っている池の水が輝くほどに、白く咲い…

蒜(ひる)・のびる

撮影場所 自宅 撮影場所 自宅 醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗き合(か)てて 鯛願う われにな見せそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの) 長忌寸意吉麿 巻16−3829 大意 醤酢に蒜を搗き加えたものと、鯛を食べたいと願っている私に、水葱の吸物など、見せて下さ…

芹子 (せり)

撮影場所 箱根 ウェルテル俵石 あかねさす 昼は田賜びて(たたびて) ぬばたまの 夜の暇に つめる芹子(せり)これ 葛城王 巻20−4455 大意昼は班田の仕事をして、夜の暇の時に摘んだセリです。 くすりの博物館 万葉集の植物

春菜 (わかな)

庭のフキノトウ 撮影場所 自宅 秋田蕗のフキノトウ 撮影場所 玉川温泉 明日よりは 春菜(わかな)摘まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ 山部赤人 巻8−1427 明日から春の若菜を摘もうと、野にしるしの標をつけておいたのに、昨日も今日も雪が…

小竹 (しの)

撮影場所 仙石原 うちなびく 春さりくれば 小竹(しの)の末(うれ)に 尾羽(おは)うち触れて 鶯(うぐひす)鳴くも 巻10−1830

撮影場所 大船フラワーセンター 撮影場所 自宅 撮影場所 田浦梅林 春の野に 鳴くや鶯 懐けむと 我が家(へ)の園に 梅が花咲く 志氏大道 巻5−837 春の野に鳴く鶯をなつかせようと、我が家の庭に梅の花が咲いています。 くすりの博物館 万葉集の植物

伊豆の海

撮影場所 河津浜 伊豆の海に 立つ白波の ありつつも 継ぎなむものを 乱れしめめや 巻14ー3360 このままずっとお逢いして行きたいものを、何で心を乱すことがありましょう。

川楊・かわやなぎ (ねこやなぎ)

撮影場所 玉川温泉 山の際(ま)に 雪は降りつつ しかすがに この川楊(かわやぎ)は 萌えにけるかも 巻10−1848 山にはまだ雪が降っているというのに、ほら、この川楊はもう芽をふくらませています。

撮影場所 自宅 み雪降る 冬は今日のみ 鴬の 鳴かむ春へは 明日にしあるらし 三形王 巻20−4488 三浦半島もついに雪になりました。今日は一日降り続きそうです。 現在の積雪 5cm

黄楊(つげ)

撮影場所 鎌倉 君なくは 何そ身装はむ 匣(くしげ)げなる 黄楊の小梳(おぐし)も 取らむとも思はず 播磨娘子 巻 9−1777 あなたがいらっしゃらないで、何で身を装ったりいたしましょう。櫛の箱に入っている黄楊の小櫛も、手に取ろうとは思いません。

玉箒 (こうやぼうき)

撮影場所 小石川植物園 始春(はつはる)の 初子の今日の 玉箒(たまばはき) 手に取るからに ゆらく玉の緒 大伴家持 巻20−4493 初春の初子(はつね)の日の今日頂いた玉箒は、ちょっと手に取っただけで、(その箒に飾ってある)玉の緒が揺れて音をた…

真弓・マユミ

撮影場所 箱根 あずまはやの道 み薦(こも)刈る 信濃の真弓 わが引かば 貴人(うまひと)さびて いなと言はむかも 久米禅師 巻2−96 信濃の国の真弓を引くように、私があなたの心をひいて求婚したら、上品ぶって「いいえ」と云うのでしょうね。 マユミの…

撮影場所 沢渡温泉付近 御園生の 竹の林に鴬は しば鳴きにしを 雪は降りつつ 巻19−4286 この御園の竹の林で、鴬がしきりに鳴いていたのに、今は雪が降り続いています。

平成18年 元旦

撮影場所 浅草仲見世 新(あらた)しき 年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重(し)け吉事(よごと) 大伴家持 巻20−4516 新年の始めの今日、めでたく降る雪のように、いよいよ吉事の重なりますように。