燈(ともしび)の 影にかがよふ うつせみの 妹が笑まひし 面影に見ゆ
万葉集 巻11−2642
燈火の影にちらちらするあの娘のほほえみが、今、面影に浮かんで見えます。
旧い写真を整理していたら、こんな写真が出てきました。
東大寺二月堂に灯された蝋燭の炎です。背景は大仏殿の屋根越しに生駒山方面。
そうだ! この写真にこの歌、使っちゃお。 妹の面影のイメージに、ミス奈良の横顔を拝借して。
もう古いお話ですが、奈良の「采女まつり」の行列で見かけた、当時のミス奈良です。
ほっそりと奈良時代の装束を着こなして、可愛らしいお嬢さんでした。
あの日は三輪へ「そうめん」を食べに行って、ついでに山の辺の道を少し歩いてから奈良へ戻り
宿に帰ろうと東向商店街に入ったら偶然、向こうから行列がやって来たのです。
嬉しくなって写真を撮りましたが、夕方のアーケードの中でブレブレ写真の大量生産。
それに行列って結構速く進んで行くんですね。あ、この人撮りたい、とカメラを向けても
既に目の前を通り過ぎてしまって。
折角の機会なので猿沢の池の神事も見物してからホテルに戻ることにしました。
小さな池の畔は人、人、人で埋め尽くされ、屋台も出て肉を焼く脂っぽい煙が漂います。
ちょっと興をそがれるなぁ。
管弦の儀が始まっても池は暗闇の中。そこで何をやっているのか、殆ど見えませんでした。
それ故か、行事の進行を説明する甲高い女性の声がスピーカーから絶えず流れ、管弦の音もかき消されてしまいます。
惜しいなぁ! 折角の雅な催しなのに。 主催側にもうひと工夫欲しいかな。
そんな事を感じながら鑑賞した采女まつりの思い出写真。
恥ずかしながらピンボケ写真の蔵出しです。
采女まつりは中秋の名月の夜の行事。この晩も煌々と輝いて、それは見事な名月でした。
こちらは福島県郡山市から参加のミス采女。 写った皆さん、超ピンボケですみません。
御所車に乗った花扇使。淑やかにうつむいてお顔を拝見できなかった。
花扇奉納神事が行われている采女神社
猿沢の池に浮かぶ龍頭 鷁首の管弦船
猿沢の池の月 興福寺 五重の塔と月
中秋の名月 三笠の山に出でし月かも〜