三輪の神杉




 味酒(うまさけ)を 三輪の祝(はふり)が いはふ杉 手触れし罪か 君に逢ひがたき


             丹波大女娘子(たにはのおほめのをとめ) 万葉集 巻4−712



   三輪の神官たちが大切に斎き祀っている杉に手を触れた罪なのでしょうか
   いとしい人になかなか逢えないのは。




巳の神杉

                           

ちょうど二か月前のことになりますが、奈良へ遊びに行きました。
夏の初めに奈良の老舗ホテルの格安クーポンを手に入れ、それを消化するのが旅の目的でしたから、何処を見るというアテもない気紛れ旅です。
さて、奈良に着くと、ツレが「奈良県で本場の素麺を食べたことが無い」と申します。
それでは三輪へご案内〜♪
翌日、大神神社から山の辺の道を少し歩いて見よう、とJR万葉まほろば線で三輪駅へ降り立ちました。
先ず大神神社の拝殿に参り、次に拝殿前の「巳の神杉」と呼ばれる老杉に「またお逢いできて嬉しいです」とご挨拶。
この杉は樹齢350年位とのことですから、万葉の頃には、これとは別の大きな神杉があったのでしょう。
境内には、能「三輪」に登場する「玄賓僧都(げんぴんそうず)衣掛杉」という朽ちかけた大きな古株が保存されておりました。
巳の神杉は人々の篤い信仰を集めているようで、巳さんの好物という玉子や日本酒が供えられ、樹の辺りはとてもお神酒臭かったので、さては一献聞こし召したかな?巳さん?

                             
神杉の空洞には白い巳さんがお住まいとか。



この日、白蛇は現れませんでしたが、参道に灰緑色の蛇がぞろりと登場、若い女性が敬虔な面持ちで手を合わせていました。大神神社の蛇は神様なのですね。願いごと叶ったでしょうか?
         巳さんです→



玄賓僧都 衣掛杉と謡蹟駒札
 


そして待望の三輪そうめん処へ


「冷そうめん」と「冷やしにゅうめん」


木枯らしが吹き始めたこの頃に冷たい写真ですみません。これ見てお腹冷えませんでした?


できれば長岳寺までは歩きたいと思っていたのですが、余りにも暑い日でしたので、
巻向駅までの「ひと駅散歩」になりました。


三輪山 巻向あたりの池越しに