大田ノ沢のかきつばた



神山や 大田ノ沢の かきつばた  ふかきたのみは いろにみゆらむ 

  藤原俊成 卿



上賀茂神社の御降臨山である神山の近くに在る大田神社のかきつばたに (人々が)よくよくお願いする恋事(いろ)は この花の色のように なんと一途(一色)で美しく可憐なのだろうか

と歌われているように、すでに平安時代には名高い花として知られておりました。
この池の広さは約2000平方メートルで かきつばたは5月上旬より紫一色の花を咲かせ始め下旬頃まで沢一面に咲きます。その姿は実に幽玄可憐で見に来る人々を魅了します。
ここのかきつばたは古代から咲き続けた花として 又 深泥ケ池同様 古代京都が湖であった頃の面影を残す泥炭地の一つとして 昭和14年に国の天然記念物に指定されております。
(説明板の内容が写真では読み難いので、一部を書き写してみました)


神山(こうやま)

         

 


5月中旬に、京都上賀茂神社の摂社である大田神社カキツバタを見に行きました。
一番花は ほぼ咲き終わって、二番目の花の脇に枯れた花が残っているので、やや彩りに乱れが・・・
一番花が紫一色に咲き揃った様子は さぞ鮮やかで美しかったことでしょう。
大田ノ沢は、沢と云うより ドーナッツ型をした池沼で、すぐ脇には民家が建ち並んでいます。
平安京に都が遷るずっと前からここに在って、人の暮らしに寄り添って存在し続けることに、柄にもなく感慨を覚えたのでした。
保存に力を尽くす方々がいらっしゃるからこそでしょうけれど。





 
 



↓ 気分は尾形光琳・・・? ちょっと無理があるでしょうか (*^。^*)




5月15日は「葵祭」。
イノダコーヒの本店で朝食後、少し北へ歩けば京都御苑の堺町御門まですぐなので、賀茂の祭りを見物することにしました。
晴れて爽やかな朝でしたが、日中は真夏日に迫る暑さでカンカン照り。行列の皆さんも、汗を拭き拭き、舗装道路のキツい照り返しに、眩しそうに顔をしかめて通り過ぎて行くのでした。
さすがに斎王代さんは「およよ」に乗って涼しいお顔。優しげにおっとりと可愛らしいお嬢さんでした。淑やかに、でも目をクリクリさせて沿道で待ち受ける左右の観客に気配り。後姿、裳を写しそびれて誠に残念です!
目の前を意外に速く進む行列に戸惑い、さて、どのタイミングでシャッターを押したものやら、と思案しつつパチパチ写したんですけれども、やはり上手く撮れませんでした。