鹿




春日野に 粟(あは)蒔けりせば 鹿(しし)待ちに 継ぎて行かましを 社(やしろ)し留むる


佐伯宿禰赤麿(さへきのすくねあかまろ)  万葉集 巻3−405




春日野に粟を蒔いたのなら(あなたに逢えるのなら)、鹿を待ち伏せするようにして毎日逢いに行くのですが、神の社(妻)が妨げるのです。


  
この一首は 巻3−404 娘子の報ふる歌 に対して贈った歌で、神の社とは赤麿さんの妻のことらしいです。
『うちのカミさんが煩くて』ってことでしょうか。



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奈良公園を歩きますと、ついつい鹿を沢山写してしまいます。
何枚写しても「これは気に入った!」と思えるものが撮れないのでなおさら。


公園の鹿は、人が手に何か持っていれば「鹿せんべい?」と寄ってきて円らな瞳でじぃっとこちらを見つめ、「ごめん。おせんべいじゃないのよ」と言うと、なぁんだ、という表情でスッと離れてゆきます。お辞儀のような仕草で「おせんべ頂戴」をする鹿もいますね。あれは誰が教えたのでしょう?


この季節、牡鹿たちは角を切られ、毛並みも艶が無くてあまり綺麗ではありません。雌鹿、子鹿も白い斑点模様のある夏毛の方が綺麗だし可愛く見えますね。








鹿がいる風景を並べました〜(^_^;)


鹿はその限りに非ず? 立ち入り禁止の看板を無視して (興福寺中金堂建設現場)








ささやきの小径、馬酔木の林で