秋山



一年(ひととせ)に ふたたび行かぬ 秋山を 情(こころ)に飽かず 過(すぐ)しつるかも


  万葉集 巻10−2218



一年に二度はめぐって来ない美しい秋山の景色を、心行くまで楽しむことなく過ごしてしまいました。
 


      ☆          

       



16日に箱根の紅葉を楽しんで参りました。
先ず、仙石の長安寺へ。
ここは観光バスも来ず、静かな穴場の紅葉名所でしたが、昨夜、テレビの旅番組に登場したので、今後は人がどっと押し寄せるかもしれません。TVは穴場荒らしですね。
長安寺をあとに、仙石原を少し歩いてから強羅へ。平日にも関わらず、登山電車、ケーブルカーは随分混んでいました。箱根美術館もチケット売り場に行列が出来ていたので割愛。
強羅駅から登山電車に乗り小涌谷で下車して宮ノ下まで、浅間山や明星ヶ岳の織りなす錦を眺めながらブラブラと歩きました。今年の箱根の山は格別色づきがよくて、富士屋ホテルの庭の効果的な借景になっておりました。
この歌の作者は美しい秋山を満喫できなかったようですが、私は、鮮やかというか濃いというか、少し胸焼けしそうなほど堪能した今年の紅葉狩りでした。