紅(くれなゐ)の 花にしあらば 衣手に 染め付け持ちて 行くべく思ほゆ
万葉集 巻11−2827
あなたが紅の花だったなら、袖に染め付けて持ってゆきたいと思うのです。
くれなゐ(ベニバナ) キク科
名は、呉の国から渡ってきた藍 「呉の藍(くれのあゐ)」が短縮されたもの。
別名 末摘花。
染料、化粧料、薬用、食用。
原産地はエチオピアともいわれ、エジプトからシルクロードをたどって6世紀頃に日本に伝来したといわれています。
山形県では15世紀半ばから栽培が始まったとされていますが、江戸初期には質、量とも日本一の紅花産地として栄え
最盛期には全国の50〜60%を山形が占めました。(パンフレットから)
山形駅から仙山線で四つ目、山寺の一つ手前の駅「高瀬」で下車、駅前に待機していたシャトルバスに乗って
「紅花の里 高瀬」の「紅花まつり」を観てきました。7月12日のお話です。
実は昨年、置賜地方の紅花畑を観に行こうと役場から沢山の資料を送って頂いてアレコレ調べ、日程や宿も決まり
さあ、明後日にも出かけようと思った矢先に、大雨による川の氾濫で宿泊予定の温泉地は浸水、線路は不通となり
止むなく断念と相成りました。
さて、今年も紅花の季節に台風9,10,11号が南の海をウロウロ、何処へ向かう積りやら、と数日天気予報とニラメッコ。
何とかお天気持ちそうかな・・・と10日に宿を手配し山形新幹線の乗車券を買って11日に家を出ました。
翌12日、「紅花まつり」の会場は駅から徒歩15〜20分と聞きましたので、のんびり歩いて行くつもりでしたが
その日の気温、何と35℃。熱中症が怖い。で無料シャトルバスのお世話になりました。感謝感謝です。
山形市街地にある「紅の蔵 まちなか情報館」では紅花展の最終日でした。
紅花の持つ色素のうち、99%以上が黄色、残りの1%未満が紅色で、紅の色を抽出するのは手間がかかり
綺麗な色を出すのが難しいため、その原料となる紅餅の価格は米の百倍、金の十倍と謳われるほど
高価なものだったそうです。
花は黄色い花のみ摘みとります。咲いて数日経って赤くなった花からは紅色は抽出できないのです。
また、葉には鋭い刺があるので、手袋も無かった昔の女性たちは手を血だらけにして花を摘んだのですよ。
など言うお話も伺いました。
口紅は上質なものほど玉虫色になり、開封後、日毎に玉虫色が濃くなるように感じます。と係りの方が仰ってました。