蓮葉に溜まれる水の




御佩(みはかし)を 劒(つるぎ)の池の 蓮葉(はちすは)に 渟(たま)れる水の 行方無(な)み わがする時に 逢ふべしと 逢ひたる君を な寐そと 母聞(きこ)せどもわが情(こころ) 清隅(きよすみ)の池の 池の底 われは忘れじ ただに逢ふまでに
                         


  万葉集 巻13−3289




剣の池の蓮の葉に溜まった水の行方も分からないように、私も途方にくれていた時に「逢うべきです」 と告げられて逢ったあなたと、共寝をしてはいけないと母が申しますが私の心は清隅の池の底のようにあなたを深く思っていて忘れません。じかにお逢いするまでは。





近鉄橿原神宮前駅から東に10分程歩いた所にある剣池です。右手のこんもりした山は孝元天皇劒池島上陵で、池畔から近くに甘樫の丘、遠く音羽山、多武峯が望めます。この池は応神朝に造られた人造池で、日本書紀には、一茎に二つの蓮の花が咲いたという記録があるそうですが、明治の頃、灌漑用に池を拡張したとの事で、蓮は一本もありませんでした。


 



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薄曇りの日、こんな日は直射日光が遮られ歩き易いかも、と鎌倉のハスを観に行ったのですが、考えが甘かった! 
たっぷりと熱を蓄えた舗装道路から伝わる暑さには応えました。

春頃から八幡さまの源平池は水を抜いて何やら工事をしていたので、今年は蓮は咲かないかもしれないと思いながら行ってみますと、案の定、源氏池では未だ工事続行中で蓮の花は数えるほど。
平家池は奥の方に白い花がポツリポツリ、源氏池より多く咲いています。平家池なのに白花ばっかり。どうして?
毎年、鉢植えの蓮が見られる「おんめさま」と本覚寺にも寄ってみましたが、来るのが早かったのか、遅かったのか。下にその様子を並べました。
風の噂では、材木座光明寺の蓮も残念な状態とか。年々花が少なくなるな、と感じてはいたのですが、どうしちゃったのかな?
余りの蒸し暑さに辟易して、若宮大路のお蕎麦屋さんで涼みがてら「生しらすおろしそば」を食べ、買い物もそこそこに退散したのでした。



上 源氏池   下 平家池







 




しらすの目玉を意識して写しました。→













本覚寺の蓮は


こんな感じ・・・


大功寺(おんめさま)の蓮は


こんな感じ・・・
 

 


風が吹いて揺れる大きな葉の間から、チラリと顔を覗かせた瞬間です。