秋草に 置く白露の 飽(あ)かずのみ 相見るものを 月をし待たむ
秋草に置く白露のように、はかない逢う瀬でいつも飽き足らないけれど
また来年の7月を待つことにしましょう
* この歌は大伴家持の『七夕の歌八首』の中の一首です。
したがって「飽かずのみ 相見るもの」とは、彦星と織姫でしょうか?
旧暦の7月7日にあたる8月26日に、京都の冷泉家で、伝統の七夕行事
『乞巧奠(きっこうてん)』が行われたというニュースを見ました。
現在は夏の行事になっていますが、七夕は実は秋の行事なのですね。
今の7月7日ですと梅雨の頃ですから、天の川、彦星、織女星は余り見えません。
8月末ならお天気も安定し(台風がこなければ)、空気も澄んで
天の川が見られる確率は高いです。
現代のような酷い大気汚染の無かった万葉時代の人々は
さぞ美しい星空を仰いだことでしょう。
日本の伝統行事は、七草粥にしても、桃の節句、端午の節句にしても
旧暦で行うほうが季節感がピッタリします。
秋草を写したものを集めました。
一枚目の写真には、オミナエシ、ワレモコウ、ツリガネニンジン
カワラナデシコなど乱れ咲いています。
白露を置くアサマフウロ
エゾリンドウ 赤く染まり始めたアカバナの葉