桑・くは (くわ)



筑波嶺(つくばね)の 新桑繭(にひぐはまよ)の 衣(きぬ)はあれど 君が御衣(みけし)し あやに着欲(きほ)しも


                                万葉集 巻14−3350



筑波山麓の桑の新芽で育てた繭の着物は着られなくても、あなたのお着物を着たいと無性に思うのです。(着物は持っているけれど、という解釈もあります)



 この歌は、筑波山麓で暮す若い娘さんたちが、桑の葉を摘みながら、あるいは布を織りながら、民謡のようにに歌われたもののようです。
また古代には、想い合う同士がお互いの着物を交換する風習があったそうです。



今年も桑の実が美味しそうに色づいてきました。もう真っ黒くなって食べ頃のもあります。
子供の頃は何の懸念も無く摘んで口に入れたものですが、流石に当節は躊躇してしまいます。
人口の多い町では、自然のものを採って食べたり、無造作に草むらに坐ったりが、安心して出来なくなりました。それでも、この桑の葉を摘んでいるオクサマを先日見かけ、伺ってみますと『今夜は天ぷらなのでこれも揚げるの。美味しいわよ』とのお話で、こんど真似してみようかなぁと、桑の木の傍を通る度にチラチラと横目で見ているのです。


先の二枚の葉は天ぷらに使えそうです


もう直き食べごろ

さむいぼ出ちゃったらゴメンナサイ