椿




奥山の 八峰(やつを)の椿 つばらかに 今日は暮らさね 大夫(ますらを)のとも



   萬葉集 巻19−4152  大伴家持



今日一日、つばらかに(心ゆくまで)楽しくお過ごしください、ますらをたちよ。



大伴家持の館での宴の席で詠んだ歌です。




14日は好いお天気でしたので、鎌倉へ買い物がてら妙本寺に行ってみました。
妙本寺は、源頼朝重臣比企能員(ひきよしかず)の館跡に文永11年(1274年)に創建された日蓮宗の古刹。
祇園山の麓、比企ガ谷にあって、静寂な佇まいが魅力の、いつ訪ねても穏やかな境内です。
この日訪れた目的は椿の花でしたが、この冬の暖かさに梅も開花、ロウバイも満開、季節を勘違いしたシャガまでチラホラ咲いており
かと思うと未だ冬紅葉も頑張って午後の陽射しに輝いているのでした。
本堂の周りには椿の木が何本もあって、藪椿などは元々この山に自生しているものか、随分と高木です。
花は沢山咲いてはいるものの大分傷んでいるのが多くて、いささか残念なり。
それでも「つらつら椿」をつらつらと、充分に楽しむことができました。



二天門


多聞天                              


持国天


多聞天側の地面に柵の陰影


祖師堂





萬葉集研究遺蹟の碑
鎌倉時代萬葉集研究家「仙覚律師」が、ここで「萬葉集註釈」を著したと伝わっています。 


本堂


蓮の水盤に






まだ頑張っている冬もみじ


梅の花も綻び始めました。