春菜摘む



春山の 咲きのををりに 春菜摘む 妹が白紐(しらひも) 見らくしよしも


 尾張連(をはりのむらじ) 万葉集 巻8−1421



春山の花の咲き繁った所で、春菜を摘む妻の着物の真っ白い紐を見ているのはいい気持だ。



      



3月末からボロ家の修理でごたごたしておりましたが、ようやく普段のペースで暮らせるようになりました。お風呂場とトイレを壊すと家中が粉塵まみれになりますので、その間は伊豆の湯治場におり、工事の状態を気にしつつ、マア、何とかなるだろう気分で過ごしました。

伊豆畑毛温泉の長閑な里を散歩していると、土手で蓬を摘む人々がいて、中の一人の女性が竹で編んだ小さな可愛い背負い籠を持ち、そこに摘んだヨモギを入れている様子を見て、『 籠もよ み籠持ち 堀串もよ み堀串持ち この丘に 菜摘ます児・・・ 』の雄略天皇のお歌を思い浮かべたのです。
そして、春菜摘む妹の白い紐は無いけれど、白のキャップにマスク、軍手も白だし、折りしも(4月中旬)山桜が満開だし〜ということで、今回は『春山の』の歌にしました。
今月は一首も更新できないかな・・・と思っておりましたが、何とか題材が見つかってよかったです(*^。^*)


柿沢川から葛城山方面


柿沢川から箱根の山並み


遠近の山に、山桜が霞みのように咲いて綺麗でした。