田児の浦 (たごのうら)


三保の松原から見た田児の浦方面の海岸線



反歌
田児(たご)の浦ゆ うち出(い)でて見れば 真白にそ 不盡の高嶺に 雪は降りける


                 山部宿禰赤人  万葉集 巻3−318

 


田児の浦を通って眺望のきく所へ出て見ますと、真っ白に、富士の高嶺に雪が積っていました。




田児の浦とは、現在『田子の浦』と呼ばれる富士川東方の地ではなくて、富士川西方の、蒲原、由比から、興津川東方にかけての弓状の海浜のことを指す、という説が有力のようです。
右の絵は、高橋由一の『田子富士』という作品で、山部赤人が大和から東国への旅の途中、薩埵峠を越えて最初に目にした富士の姿はこんなイメージだったのでは・・・と無断借用しました。




下の写真は、田子の浦港からの富士山です。
港の近くに『田児の浦ゆ』の万葉歌碑があると知り、だいぶん前に探しに行ったのですが、見つかりませんでした。


歩き回って行き着いた『富士と港の見える公園』の展望台からの眺望です。



お天気の好い日に、伊豆長岡葛城山から、富士山と田子の浦の海岸線を眺めました。
春霞模様ながら、真っ白な南アルプスの山並みも綺麗に見え「今日のお客さんは、日頃の行いがよろしい」と売店の人に太鼓判を押して貰いました(^_^)v


葛城山にも河津桜が少し咲いていました。


葛城山頂の茶店の焼きだんごは、富士山の溶岩で焼いているとかいないとか・・・(笑)