三保の松原から見た田児の浦方面の海岸線
反歌
田児(たご)の浦ゆ うち出(い)でて見れば 真白にそ 不盡の高嶺に 雪は降りける
田児の浦を通って眺望のきく所へ出て見ますと、真っ白に、富士の高嶺に雪が積っていました。
田児の浦とは、現在『田子の浦』と呼ばれる富士川東方の地ではなくて、富士川西方の、蒲原、由比から、興津川東方にかけての弓状の海浜のことを指す、という説が有力のようです。
右の絵は、高橋由一の『田子富士』という作品で、山部赤人が大和から東国への旅の途中、薩埵峠を越えて最初に目にした富士の姿はこんなイメージだったのでは・・・と無断借用しました。
下の写真は、田子の浦港からの富士山です。
港の近くに『田児の浦ゆ』の万葉歌碑があると知り、だいぶん前に探しに行ったのですが、見つかりませんでした。
歩き回って行き着いた『富士と港の見える公園』の展望台からの眺望です。
お天気の好い日に、伊豆長岡の葛城山から、富士山と田子の浦の海岸線を眺めました。
春霞模様ながら、真っ白な南アルプスの山並みも綺麗に見え「今日のお客さんは、日頃の行いがよろしい」と売店の人に太鼓判を押して貰いました(^_^)v