鰻・むなぎ

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痩せたる人を嗤咲(わら)ふ歌二首

石麿(いはまろ)に われ物申す 夏痩せに 
               良しといふものそ 鰻(むなぎ)取り食(め)せ

万葉集 巻16−3853



痩(や)す痩すも 生けらばあらむを はたやはた 鰻を取ると 川に流るな

万葉集 巻16−3854



右は、吉田連老(よしだのむらじおゆ)といふひとあり。字は石麿(いはまろ)といへり。所謂(いはゆる)仁敬の子なり。その老、人と為り身體甚(いた)く痩せたり。多く喫飲すれども、形飢饉に似たり。此れに因りて大伴宿禰家持の、聊(いささ)かにこの歌を作りて、戯れ咲(わら)ふことを為せり。




うな重の写真は、たまに取り寄せるうなぎやさんの写真を借りました。