冬ごもり 春咲く花を 手折り持ち 千遍(ちたび)の限り 恋ひ渡るかも
万葉集 巻10ー1891 (柿本人麻呂歌集)
春咲く花を手折り持って、限りなくあなたを恋いつづけているのです。
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先日、北鎌倉東慶寺の仏像展を見てきました。
昭和18年に盗難にあい、いまだに行方の知れない奈良新薬師寺の香薬師如来の模造のお像に会いたくて出かけたのです。
73cmの小ぶりな薬師如来さまは、白鳳の面影を伝える優しげなお顔をした立像でした。
(下線のある部分をクリックしますと「香薬師如来像」の説明があります)
東慶寺のお庭は早咲きの梅、蝋梅、水仙、ボケなどの花は盛りを過ぎ、三椏はまだ硬い蕾、福寿草とマンサクが少し咲いていましたが、全体的には冬枯れの寂しさと、散りがての梅の花の彩りがホンワカとして春の気配もあり、二つの季節が入り混じった不思議な雰囲気を醸しておりました。程なく遅咲きの梅、枝垂桜と続き、一気に華やぐことでしょう。