草枕 旅に物思ひ 我が聞けば 夕片設(ゆうかたま)けて 鳴く河蝦(かはづ)かも
万葉集 巻10ー2163
旅に出て、物思いしながら耳を傾けていると、夕方になって蛙が鳴いています。
*万葉集に詠まれている蝦とは、河鹿蛙(カジカガエル)のことだそうですが、私は未だカジカガエルを見たことがありません。
知床五湖の一湖から二湖への途中でエゾアマガエルを見ましたので、この歌を使いました。万葉集には、北海道に関わる歌は一首もありませんので、強引ですが(*^_^*)
「エゾアマガエルがいますよ!」とバスガイドさんが指差す方をみますと、小さな蛙が水芭蕉にちょこんと坐っていて、とても可愛らしい様子でした。
鳴き声が聞けたら良かったのですが・・・どんな風に鳴くのでしょうか。
知床はヒグマが多く生息していて、慣れない者が自由に歩き回ることは難しいので、知床めぐりの定期観光バス半日コースに乗りました。
ヒグマは水芭蕉の根が好物で、五湖には水芭蕉を食べにしばしば現れる為、数日間立ち入り禁止になっていましたが、当日早朝漸く解除になったのです。
五湖めぐりの自由時間は1時間。全部廻るのは忙しないので、私共は1・2湖だけ廻りました。それでも時間は足りなかった。バスツアーの宿命です。
ヒグマの足跡と食い荒らされた水芭蕉
足跡が小さいので、若い熊だろうと云うことです。
二湖 湖に姿を映すのは硫黄山
付録
知床めぐりの観光クルーザーから、遥か遠くにヒグマさんを目撃しました