海松・みる


                    撮影場所 天神島ビジターセンター
                  


神風(かむかぜ)の 伊勢の海の 朝凪(な)ぎに 来寄る深海松(ふかみる) 夕凪(な)ぎに 来寄るまた海松(みる) 深海松(ふかみる)の 深めしわれを  また海松の 復(また)行き反(かへ)り 妻と言はじとかも 思ほせる君

                      万葉集 巻13−3301 



伊勢の海の、静かな朝の浜に打ち寄せられる深海松や、夕の浜にうち寄せられるまた海松。その深海松のように、深くあなたを思っている私なのに、また海松のように、また行きつ戻りつしていて、この私を妻と呼ぶまいと思っておいでのあなたなのですね。

 


*この海松(みる)の写真は、天神島ビジターセンターの展示室の説明パネルを写したものです。