ゆずるは (ゆずりは)


                               撮影場所 上野 不忍池



吉野の宮に幸(いでま)しし時、弓削皇子額田王に贈る歌一首

古(いにし)へに 恋ふる鳥かも 弓絃葉(ゆずるは)の 御井(みい)の上より 鳴き渡り行く

                       弓削皇子  巻2−111


あの鳥は、(天武天皇がおいでの頃の)昔を恋い慕っているのでしょうか。 ユズリハの茂っている御井(泉)の上を、鳴きながら渡って行きます。




額田王,和へ奉る歌一首

古(いにし)へに 恋ふらむ鳥は ほととぎす けだしや鳴きし わが念(も)へるごと 
                          額田王  巻2−112


昔を恋い慕っているという鳥はホトトギスで、恐らく、私が昔を思い慕っているような気持ちで鳴いたことでしょう。



* 弓削皇子天武天皇の第六皇子


☆ 今日、家の近くで、今年初めてホトトギスが鳴きました。


                             くすりの博物館 万葉集の植物