いかならむ 時にか妹を 葎生(むぐらふ)の きたなき屋戸に 入りいませなむ
万葉集 巻4−759 大伴田村大嬢(おほとものたむらのおほいらつめ)
いつになったらあなたと会えるのでしょう。カナムグラが生い茂ったむさくるしい家ですが、早くお招きしたいものです。
* 田村大嬢が異母妹の坂上大嬢に贈った歌です。
二人の父は大伴宿奈麿(おおとものすくなまろ)。姉は父と田村の里に住んでいたので田村大嬢(たむらのおおいらつめ)
妹は母と坂上の里に暮らしていたので坂上大嬢(さかのうえのおおいらつめ)といいます。
カナムグラ (鉄葎) アサ科 つる性一年草
わが家にある植物図鑑でカナムグラを調べますと、どの本にも「クワ科」と書いてあって、これがクワ科?
と何となく腑に落ちなかったのですが、最近は「アサ科」に分類されるように変わったらしく、素人ながらこれなら納得できます。
子供の頃、草むらでカナムグラ特有のトゲトゲに触れ、ふくらはぎを切ったりしたものでした。
ビールの苦味に欠かせないホップと同じ仲間なのだそうで、雌花を見ると確かに似ていますね。
この夏、万葉の植物図鑑をパラパラめくっていて、ふとカナムグラの花の写真が目に留まりました。
雌雄異株? こんな花が咲くの? へぇ〜今まで気がつかなかった。
今年どこかで見かけたら花を意識して写そう!
そして以下のような写真を撮りました。例によって例の如し。小さな花にピントが合わせられない。 (^_^;)
その他、この秋見たツル性の花三種。