生駒山 (いこまやま)



君があたり 見つつも居(お)らむ 生駒山(いこまやま)
雲なたなびき 雨は降るとも


 万葉集 巻12−3032



あなたがいらっしゃるあたりを見ておりましょう 
生駒山に 雲よ たなびかないで たとえ雨が降ろうとも




奈良の町の小高い所に登って西の方角を見ると、山頂に鉄塔がニョキニョキ立っている山があって、それが生駒山(642m)です。
昔、生駒山越えの道は、大和と難波の往還の要路でした。
現在では近鉄電車で生駒のトンネルをぬければ、奈良から難波まであっという間ですが、昔の人々にとっては、さぞ苦労の多い山越えの道だったことでしょう。

『君があたり』はどこか? この歌を詠んだ人はどの辺りから見ていたのか、など思いを巡らせながら、今日はこの歌にしました。