桜花




桜花 咲きかも散ると 見るまでに  誰(たれ)かも此処に 見えて散り行く


  万葉集 巻12−3129 (柿本人麿歌集)



桜の花が咲いては散っていくように、ここに集っては散って行く人々は誰なのでしょう。



長興山紹太寺の枝垂桜



次世代の木も成長しています







花曇りの3月23日、小田原市入生田の枝垂桜と、小田原城址公園の桜を観てまいりました。
土曜日とあって、どちらも大勢のお花見客で賑わっており、小田原城では、さくら祭りの催しもあったようです。ドンドンと鳴り響く太鼓の音に誘われて行ってみますと、鎧武者が記念撮影しているところでした。もう終わっちゃったのね。


枝垂桜は長興山紹太寺の境内にあるエドヒガンの巨木で、樹齢三百四十年ほど。樹勢の衰えが目立ち、樹木医の方が様々に手を施し介抱なさっておられるそうです。行った日は未だ七分咲きで花は淡墨色でしたが、今日あたりは満開になって、薄桃色に咲いているのかも知れません。二十数年前に初めてこの桜を見た時はちょうど盛りで、ピンクの霞のようでしたから・・・
紹太寺は普茶料理でも知られていて、松花堂弁当なら予約無しで頂けると知り、是非にと楽しみにして行ったのですが、まだお昼前にも関わらず売り切れとのことで誠に残念。早朝から胡麻を丹念に擦って胡麻豆腐を作ったりと調理に手間がかかるので、数が限られるというお話でした。



こちらは小田原城お堀端の桜並木