知床峠の牡鹿



夏野ゆく 牡鹿(をしか)の角(つの)の 束(つか)の間も
                       妹が心を 忘れて思へや


                      柿本朝臣人麿  万葉集 巻3−502

 
夏の野を行く牡鹿の角は短いけれど、そのように短い間も、私を思う妻の心を
忘れていません。



今日登場するのはエゾシカです。万葉集に詠まれている鹿はホンシュウジカだと思いますが、そこは無視して。


知床めぐりの定期観光バス半日コースは、先ず知床峠に向かい、展望台から眺望を楽しみました。羅臼岳の頂上が目の前にせまり、雲海の遥か彼方には国後島がくっきりと浮かんでいます。ふと展望台の下に目を落とすと、牡鹿が一頭くつろいでいました。春に古い角が抜けて、新しい短い角が生えています。この歌にピッタリのモデルさん見〜つけた!


知床横断道路 ウトロ方面  道路の脇の白い所は残雪です。
向こうはオホーツク海


知床峠展望台と羅臼岳


雲海の彼方に国後島


知床横断道路 羅臼方面


宿の向かいの傾斜地で


林の中を散歩中に遭遇した子鹿  突然出合って緊張しています