春されば



春されば しだり柳の とををにも 妹は心に 乗りにけるかも


春去 爲垂柳 十緒 妹心 乘在鴨


 万葉集 巻10−1896 (柿本人麿歌集)




春になるとしだれ柳の葉がたわたわとしなうように、わたしの心がしなうほどに、あの人は私の心に乗ってしまっているよ。



心に乗る : 心を占める。



柿本人麿歌集   

万葉集編纂の材料となった歌集の一つ。人麿の自作といくらかの他人の作を集めた。
人麿以外の作者名の記されているものや、女の作を含み、長歌、短歌、旋頭歌多数をのせる。
万葉集の巻2・3・7・9・11・12・13・14に見え、中には極度にテニオハなどを略した表記法をとったものがある。
成立については確説がなく、人麿が集めておいたものに、後人が手を加えたかという。中に庚辰の年の作と注するものがあるが
それを天武九年(680)と見る説と天平12年(740)と見る説がある。
人麿作と明記してあるものに比して、宮廷関係の作が乏しく、民謡性に富むといわれる。 日本古典文學大系 万葉集巻三





風があるけれど、そこそこ晴れた日の午後、横須賀しょうぶ園まで散策に出ました。
この季節の菖蒲園の、ほんわかした里山っぽい雰囲気が好きでほぼ毎年訪れますが、今年はご多分に漏れず既に桜は満開。
山桜や染井吉野は盛りを過ぎて花びらがはらはらと散り始めているのでした。
若い柳の葉の萌黄色と枝垂れ桜の紅色、薄茶の若葉は何の木でしょうか? それらが混ざり合って柔らかな春色の園内です。
大きなカメラを携えて風景を撮りまくる女性とすれ違い こんにちは!
「誰もいませんねぇ、こんなに綺麗なのに。もっと大勢見に来ればいいのに」と彼女。
「本当ですねぇ。こんなに綺麗なのに勿体ないですね」と私。
どんな写真を撮られたのかな。見せて頂きたいな。
菖蒲田の中の枝垂れ桜の下には熱心に絵を描く男性がお一人、向こうのベンチにお二人、この時の入園者は計6人でした。
管理棟のホールには近所の農家さんのお野菜直売コーナーがあり、小松菜やパクチーなど一束120円也。
隅に糠が入ったビーニール袋が幾つか積んでありました。朝掘り竹の子売ってたのかも。
三浦半島の掘りたて筍は美味しいです。今度午前中に行ってみましょう!






キジバト  


藤の蕾  あと2週間か3週間で見頃を迎えることでしょうか。




何の木の若葉かな?



リュウキンカ


タンポポ                            


ニリンソウ


アカメガシワ                            
 


アオキ


ウラシマソウ