さな蔓 (サネカズラ、美男蔓)




木綿裹(ゆふつつ)み 白月山の さな葛 後もかならず 逢はむとそ思ふ


    
或る本の歌に云はく、絶えむと妹をわが思はなくに


 万葉集 巻12−3073



(白月山のさな蔓のように)後にも必ずあなたと逢いたいと思います。


木綿裹み(一に云はく、畳)。
木綿裹は枕詞。木綿の包みは白いので白にかかる。
白月山は所在不明。
・・・さな蔓まで、逢ふを導く序。蔓は分かれてまた先で合う。






秋の長雨も小休止してピーカンの木曜日、久しぶりに鎌倉散歩に出かけました。
家を出るときは海蔵寺に行くつもりでしたが、駅の券売機の前で気が変わり、北鎌倉まで切符を購入。
今、観光の端境期で観光客も少なそうなので円覚寺を訪ねることにしました。6年ぶりです。
案の定人は少なく、写生をしている中学生のグループの他には、欧米系のお顔立ちの個人観光らしい方がチラホラ。
ゆっくりと境内を廻って、禅寺らしい静かで清々しい空気を感じられたでしょうか。


一番奥の塔頭、黄梅院のお庭の低い竹垣にサネカズラの実が赤く色づき始めていたので写しました。
日当たりの影響なのか、紫色の実もあって珍しく思いました。これから赤く変わっていくのかなぁ?




黄梅院 観音堂  






朽ちかけた小さな木仏。
十一面千手観音のようです。






帰り道、夕やみ迫る松の木に白い月



暮れかけた亀ヶ谷坂切通しを越え鎌倉まで歩き、遅くなったから食事をして帰ろう・・・
勝烈庵で「鎌倉五山定食」を食べました。
止せばいいのにカキフライ一つ追加して貰って綺麗に平らげ、翌日も胃もたれしてました。