わすれ草 わが紐に付く 香具山の 故(ふ)りにし里を 忘れむがため
万葉集 巻3−334 帥(そつ)大伴卿(おほとものまへつきみ)
忘れ草を私の紐に付けます。香具山のあたりのあの懐かしい故郷を、ひとときでも忘れているために。
* 帥大伴卿とは、大宰府長官 大伴旅人のことです。旅人さんホームシックですね。
万葉人は、忘れ草を身につけると、苦しみが忘れられると考えていたようです。
明日香 伝板蓋宮跡から香具山(天香久山)を望む。
* * *
今日の忘れ草は浜萱草(ハマカンゾウ)です。
相変わらず熱中症恐怖症?による引きこもり生活に身も心も腐りそうで
少し新鮮な風に吹かれて来ようと観音崎まで散歩にでました。
岩礁の上の台地の草原にはハマカンゾウが其処ここに咲くのが見られ、嬉しくなってシャッターを押しているところに
通りがかりの公園の職員さん 『 いい写真撮れましたか〜 』
『 いえいえ〜 』 と私。(*^。^*)
他にもハマユウ、ソナレマツムシソウ、ボタンボウフウ、ハマナデシコ、ツルナなど、目につきます。
自然豊かな観音崎には、絶滅危惧種に指定されている貴重な植物が沢山ある、と先ほどの職員さんに教えて頂きました。
この貴重な植物を保護するため、「植物を守る会」の方々が熱心に活動なさっているとか。
お願いするとフィールドレンジャーさんが、観音崎の地質や歴史、動植物など、無料で専門的なガイドをして下さるそうです。
ちなみに先ほどの職員さんは歴史がご専門で、日露戦争の遺構など案内しておられる方でした。
花の広場では、もう終盤の向日葵が日照り、水不足に耐え、陽気に笑っておりました。