いわたばこ



氣(いき)の緒に 思へるわれを 山ぢさの 花にか君が 移ろひぬらむ
                  万葉集 巻7−1360



私はあなたを命の綱と思っていますのに、あなたは、あのしぼみやすい山じさのように、気が変わってしまったのでしょうか。



 山じさとは「イワタバコ」とする説と、「エゴノキ」とする説があります。
で、今日の主役はイワタバコで。


エゴノキ

近所にエゴノキの大木があって、今年も清楚な花が沢山咲きました。



先日、北鎌倉の東慶寺へ「イワタバコ」を見に行って参りました。
崖一杯に咲くイワタバコが見られるかしら、と期待していたのですが
イワタバコも菖蒲も紫陽花も、見頃には1週間早かったようです。
当日、お寺では「式楽茶会」の催しがあり、ちょうど、本堂で能のお囃子を演奏しているところでした。謡の声も聞こえました。
お囃子が東慶寺谷戸に響き渡り、それに呼応するように、ホトトギスが甲高い声で鳴いていて、またとない優雅なBGMなのでした。


本堂