うつせみ (空蝉)




うつせみの 常無き見れば 世のなかに 情(こころ)つけずて 思ふ日そ多き  (一に云はく、嘆く日そ多き)


                              万葉集 巻19−4162



人生の無常さを見ると、人の世の事に心を染める気持ちにならず、物思いする日の多いことです。





今夏、お隣さんの枇杷の木にツクツクボウシが大量発生しました。
大きな葉のあちらこちらに抜け殻がしがみついています。
蝉は羽化してからどの位の時間を経て鳴き始めるのでしょうか?
8月1日に初めてツクツクの声を聞いて以来、朝から夕暮、ヒグラシより遅くまで熱心に鳴き続けています。
それにしても、今年は蝉の声が遠く感じる夏でした。いよいよ耳も老化現象?
いいえ、毎日窓をを閉め切って、エアコン効かせた部屋に閉じこもっている所為でした。
窓を開ければ近くの森の蝉の大合唱がワーンと聞こえてくるのです。
7月10日に今年初のヒグラシの声を耳にし、ミンミンゼミは山形市霞城公園で7月11日。
アブラゼミクマゼミはいつだったかしら? (あら!と聞き耳を立てた記憶はあるのですが、忘れました)
とにかく蝉さん気が早すぎる。焦らないでゆっくり地上の生を楽しめばいいのに・・・
とか言っている間に微かに秋めいてきて、近頃は蝉の声も、ゆく夏を惜しむように聞こえるから不思議。
夜、秋の虫が鳴き始めました。


ビワの木で鳴くツクツクボウシ




この夏わが家の庭にやって来た蝉四種。
ひぐらし


あぶらぜみ


つくつくぼうし


みんみんぜみ



以下「山寺」で。左上の五大堂まで登りました。


五大堂からの眺望


せみ塚。 蝉の声は全く聞かれず。


句碑  閑さや岩にしみ入る蝉の声


山寺では「玉こんにゃく」は欠かせません。