鴛鴦・をしどり(おしどり)



磯の浦に 常喚(つねよ)び来棲(す)む 鴛鴦(をしどり)の 惜しき吾が身は 君がまにまに


       大原今城真人(おおはらのいまきのまひと) 万葉集 巻20−4505



池の岩蔭でいつも呼び交わしながら住むオシドリの名のように惜しい我が身ですが
あなたのお心にお任せいたします。


二月、中臣清麿宅での宴の折に詠まれた一首です。(今年は3月16日〜4月13日が旧暦の2月にあたります)
鴛(おし)に『惜し』をかけて、上司に忠誠を誓っています。





先日、初めてオシドリという鳥を見ました。
明治神宮の池です。
この池には毎年やってくると教えて下さる方があって、何時かは見に行きたいと思っていたので、東京での用事にかこつけて見物に出かけたところ、いたいた!池の奥の方で十数羽が元気に泳ぎ回っておりました。
先客の立派なカメラを構えた方にお聞きすると、その方が来られた午前10時頃には一羽も居なかったそうですから、運よく出会えて行った甲斐があったと大喜びした私です。
オシドリは神経質なのか臆病なのか、人がいる近くには寄ってきません。
図鑑によりますと体長は45cmほどあるそうですが、遠目で見ますと少し小さくてコロンとして愛らい感じがしました。
いわゆるオシドリ夫婦のように寄り添っている姿はあまり見られず、群れで池の端から端へ行ったり来たり活発に動き回るので、コンデジ専科のウォッチャー?は写真を撮るのも一苦労です。
結局 ピンボケ写真の大量生産 ^_^;  それでも綺麗な色はそこそこ写ったので、満足して帰って来たのでありました。この日は今にも降り出しそうな生憎の空模様でしたが、先客の方のお話によると、晴れた日には、より色鮮やかなオシドリの羽色が見られるそうです。